レポート・歴史

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平成20年 1月例会
2008/01/18



■■ 1月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「キャリアマネジメントとリーダーシップ 
■■■■        〜働くことの真の意味とはなにか〜」
■■■■ 講師 縄文アソシエイツ株式会社       
■■■■     代表取締役 古田 英明氏
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■       
   http://www.jomon.co.jp/

                開催日 平成20年1月16日(水)
                 会場  ホテルオークラレストラン名古屋


■■真のグローバル化を目指すために大切なこと■■

この10年間、
日本の企業社会もたくさんの経営技術者を輩出しています。

ところが、
「バナナ」のような人たちばかりです。
一見、黄色い顔をしているけれど、剥いてみたら白い。


今、ハーバードビジネススクールを出た人が、
どうしてバナナになってしまうのか?

日本人として持つべき基軸を持たないまま、
米国で経営技術だけを学んだ人が多いからなのです。


『代表的日本人』のひとり内村鑑三。
12、13歳頃まで旧幕藩体制の中で育ちました。

子供のうちから四書五経を、徹底的にたたきこまれるわけです。

内村鑑三はそういうものが全部、頭の中に入った上で
アメリカへ留学した。

そして
英語でRepresentative Men of Japan(代表的日本人)という
本を書いているのです。


これから目指すべきは、「ゆで卵」。
黄身が黄色くないと、日本のグローバル化は難しい。
根無し草ではいけません。

内村鑑三のように
日本人としてきちんとした考え方を持った上で、
グローバルな戦いをしていかければならないのです。


■■ビジネスマンに求められるもの■■

10年前には想像すらできなかったようなことが起きています。
その中のひとつとして、
ここ数年はコーポレートガバナンスという仕組みが
注目されています。


最近では私たちも
社外取締役という役職に就かれる方をスカウトするように
なりました

また、
ヘッドハンティングの候補者に対して、
いろんなヒアリングをするわけですが、

子供の頃、何を学んだかが、
その後の人物形成に大きく影響することに気づきました。


挨拶をする
ウソはつかない
ありがとう言う
後片付けはちゃんとする

皆と楽しく遊ぶ
逃げない
勇気を持って「ごめんなさい」を言う
同じことを何度も注意されない。。。


幼稚園で教わるこういうことがちゃんとできる人は、
そこそこの企業の役員になっています。


私たちヘッドハンターはどういうところを見るのか?
「心」「技」「体」です。

「技」は知識、技術、技能。
「体」はビジネスマンとしての人間性。行動力。
「心」は「生まれ育ち」と「人間的修養」です。

特殊な技能を要求されるのは40歳までです。
それ以上の年齢になると「体」や「心」が求められます。


心の部分が大切だということを考えると、
日本人として
何を軸に持つかということが大切になるわけです。


人口の7%の武士という人は、
生まれたときから「お前は人の上に立つんだから」と
言われ続けてきました。
それでも、
ほとんどの人はロクでもなかったわけです。


それと同じで、
私たちが、子供のときから「お前は将来リーダーなるんだ」と
教えられても中々そういうふうにはなりきれないわけです。

ましてや、
企業社会の中でリーダーを育てるとなると、
本当に心して次のリーダーを育てていく努力が大切です。


勤務時間である9−5時の業務指示では人は育ちません。
9−5時以外で教わること、
お客様から教えていただくことの中で人は育つわけです。


■■仕事の報酬とは何か?■■

今、残念なことに
日本の企業社会も「仕事の報酬」は「金銭的報酬」に
なっています。

ただ、
私たちが目指すべき「仕事の報酬」は、「人間的成長」です。
そして、
そのことをちゃんと伝えていくことが
経営者としての仕事でもあるわけです。


「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」
(吉田松陰)

「一燈照隅 万燈照国」(安岡正篤)という言葉があります

これは
リーダーとして、日本人として大切な言葉だと思います。

◇◇2007年度 講師陣◇◇
2007/12/07

◇◇2007年度 講師陣◇◇
 
今年度の魅力あふれる講師の方々をご紹介します。
講演内容はHP http://nagoyakeiei.jp/ を参照ください。
先生方ありがとうございました。     


1月 河村たかし氏 衆議院議員
    「おい河村!おみゃあ、いつになったら総理になるんだ」

2月 高田 幸子氏 兜S禄 取締役社長
    「人生死ぬまで社会貢献 波乱万丈」

3月 正門 律子氏 潟Nレース・プランナーズ 代表
    「男前塾〜1ランク上のいい男になるには〜」

4月 山田順一郎氏 (財)日本バドミントン協会 理事 国際レフェリー
   「ジャッジの瞬間〜
オリンピック審判員の目から見たプレーヤーの心理」

5月 千葉 豊氏 潟qューマンデザイン生物生態研究所 所長
「ホタルの世界」

6月 桑原 宏司氏 (有)サンデーフォークプロモーション 取締役相談役
「僕たちの音楽ビジネス」

7月 河内 孝氏 河内孝事務所 代表
「新聞社−破綻したビジネスモデル−」

9月 伊藤素美子氏 (有)アスコンティ 代表取締役
「出会いをチャンスに!コミュニケーション・パワーアップ講座」

10月 三遊亭圓窓師匠 落語家
   「商人(あきんど)噺」

11月 江面 集三氏 カスタマイト 代表取締役
「勝ち組の経営手法〜米国中小企業経営者から学ぶ!」

★平成19年11月例会
2007/11/19

    ■ 名古屋経営研究会通信 2007/12/31
■■ 11月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「勝ち組の経営手法 
■■■■        〜米国中小企業経営者から学ぶ!」
■■■■ 講師 カスタマイト株式会社       
■■■■     代表取締役 江面 集三氏
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■   http://www.customite.com/
     
 
                開催日 平成19年11月13日(火)
                 会場  ローズコートホテル

■■中小企業を取り巻く環境■■

今、時代は大きく変わってきています。
キーワードは4つあります。

●「グローバリゼーション」

グローバリゼーションをやるための前提条件が
2つあります。
ひとつは自由主義。もうひとつは、市場主義です。

市場主義は、
消費者がマーケットを決めていくという考え方です。
しかも自由主義ですので、競争がバンバンはいってきます。
グローバリゼーションの目指すものは競争激化です。


●「ビックバン」

ひとことでいうと、規制緩和と一部の規制撤廃です。
特にアメリカがやりたいのは、法律や会計のところ。
そこに風穴を開けたい。

そこでアメリカの教育制度を日本に持ってきたのです。
それが法科大学院と会計大学院です。

アメリカとしては
100万人以上いる弁護士を日本に輸出したい。
公認会計士や税理士を輸出したい、ということなのです。


●「第三次産業革命」

米国のビジネススクールの教授である
レスターサロー氏によると
1980年の終わりから米国より端を発して、
第三次産業革命が世界で起こったといわれています。

過去の産業革命をみてみると、
蒸気や電気が発明されるとビジネスの道具が変わります。
経営手法も変わります。

そういうときに経営者にとって大事なポイントは、
道具や手法をできるだけ早めに自分のものにして
活用したところが勝つということです。


●「お客様第一主義」

過去は、“商品の質を下げると、値段が下がる”、
“商品の質を上げると、値段が上がる”
これが商品の質と値段の関係でした。

ところが、
今は、“質は変わらないで、値段はどんと下がる”、
“質は上がって、値段は下がる”
こんな関係になってきています。

特に付加価値の低い商品を扱うマーケットは
この傾向が大きい。
例えば、衣食住などがあります。


では、なぜ、商品の質と値段の関係が変わってきたのか?
その手がかりとなるのが、
「売り手市場VS買い手市場」です。

米国では、90年代、
急激にいろいろなマーケットが買い手市場に変わって
いったのです。

この時代に起こったのがIT革命。
買い手が商品の情報を得ることによって
商品の比較、評価ができるようになったわけです。

買い手のそれぞれの商品に対する知識度が
上がっていく過程で、
マーケットは売り手市場から買い手市場へと移って
いったのです。


日本でもこれからますますいろいろな市場が
買い手市場に移ってきます。
売り手にとっては難しい時代に入ってくる。

「お客様第一主義」をますます徹底しないといけない
時代になるということです。


■■勝ち組になるための4つのポイント■■

米国では1987年10月のブラックマンデーによって
景気は落ち込んでいくわけですが
それと時を同じくして、IT革命も起きるわけです。

さらに、第三次産業革命も起きました。
それによって淘汰される中小企業は多々ありましたが、
ただ、その中でも勝ち組も出てきました。


そこで我々はその勝ち組を分析しました。
ポイントは4つあります。

●自社分析ができる

特に、財務的分析ができる。


●論理的に戦略、戦術を構築できる

戦略とはなにか。
経営者、幹部は必ず目標を作ります。
その目標に到達するための正しい段取り、設計図が
戦略です。
大事なことは、それを「論理的に作る」ということです。


論理的というのは、
お客様の情報、商品の情報、競合の情報、
市場の情報などを徹底的に取ってきて、分析して
その分析結果をもとに自分独自の戦略、戦術を作る
手法です。

つまり、
分析結果が戦略・戦術の根拠となるので、
勝つ確率が高い戦略を構築できます。


●戦略的IT活用ができる

大切なのは「戦略的に」ということです。
そのためには、ITを考えない。
まずは、論理的に独自の戦略、戦術を作る。
目標に到達するための設計図を作るわけです。

そして、その後、
その戦略、戦術をより効率的、生産的、効率的に
具体化するために、どんなソフトやハードを入れたら
いいのかを考える。

業者任せで、言われるままに、
ソフトやハードをいれてしまうと失敗します。


●その時代の最先端をいっている武器(ツール)を使う

例えば、マーケティング理論。統計学。
お客様、仕入先、競合、銀行、融資先との
ネゴシエーションのスキルアップをするためのゲーム理論、
企業価値算定などがあります。


買い手市場は、消費者が中心になります。
消費者が商品を評価する能力がついたのです。
消費者が商品を評価する能力がないときは、
大企業の名前、ブランドが商品の購入の決め手でした。

ところが、
評価する能力がついてくると、
商品の価格と質をきちんとバランスよく見極めることが
できるようになります。
そうなると中小企業でも勝てるようになります。

つまり、
お客様に評価する能力がついてくると、

会社としては
商品がいかに“お値打ち”か、“割安”かを
お客様にきちんと知らしめていく努力を
すればいいのです。


例えば、量販店の武器は、徹底した品揃えと低価格。
コンビニは同じ商品でも値段は高い。
それでも、お客様は買いにいくわけです。
なぜか?

コンビニを利用するお客様は「時間」を買っている
からです。
つまり、コンビニは、「時間」を売っている。

「お客様がその商品を通じて得る価値」=「顧客価値」を
コンビニは見抜いているわけです。


富を創造する要素として、
農業や工業が中心だったときは、人、物、金、技術でした。

ITや金融が中心になる時代は、
時間、空間、知識と言われています。


例えば、
ITを使うことによって、
過去は10時間も、20時間もかかったものが
一瞬でできるのです。

米国のIT企業は、
ソフト作りに、空間を越えてインドのソフト技術者に
依頼しています。

また、
土地、物、人、金等は、
ある人が使用していると他の人は使うことは出来ませんが、
知識は同時に誰でも使うことができます。


このように、この時代では、
時間、空間、知識を有効に活用したものが
“勝者”となれるのです。



★平成19年11月例会
2007/11/19

★平成19年11月例会

日時  平成19年11月13日(火)  講演 18:30

講師 カスタマイト 
     代表取締役 江面 集三氏
     http://www.customite.com/

テーマ 「勝ち組の経営手法 〜米国中小企業経営者から学ぶ!」

会場  ローズコートホテル 名古屋市中区大須4-9-30
  TEL   052-269-1811

★平成19年10月例会
2007/10/19

★平成19年10月例会

★平成19年10月例会
2007/10/19

■ 名古屋経営研究会通信 2007/10/31
■■ 10月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「落語のおしえ・話す 聞く 思い描く」
■■■■ 講師 三遊亭 圓窓 師匠
■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■       
 
                開催日 平成19年10月16日(火)
                 会場  ホテルオークラレストラン名古屋


■■教科書を飛び出して教室へ■■

毎月小学校に「小学図書館ニュース」という新聞を
送っている会社があります。

私が学校で落語のライブをやっている情景を写真にとって
壁新聞にしているわけです。

最初の見出しでは
「教科書を飛び出して教室へ」と書いてあります。


平成12年に私がやっている落語を教科書に載せてもらい
ました。

ところが、担任の先生から、
「子供たちにどう落語を教えていいか判らない」
という問い合わせが殺到。

今の小学校の先生は落語とのつながりがないわけです。


先生も解らない。
児童も解らない。

そういうほとんど知らない人たちに、
文字で「落語はこういうものなんですよ」といっても
解らないわけです。


このままにしておくと
教科書に文字として落語を載せただけで中途半端に
終わってしまうなと、不安になりました。

そこで、どうすればいいかを考えた。
一番いいのは、生の落語を鑑賞してもらうことです。


落語のことを何も知らない人たちのところへ行って、
いきなり落語をやると、「あっ!」と思うような反応があります。

例えば、
落語の中で、「おばあさんっ!」と叫ぶと、
子供たちが一斉に後ろを振り向くわけです。
後ろに、おばあさんがいると思ったんですね。

そこで、初めて子供たちは、
「あっ、おばあさんはいないな。落語の世界のことなのか」
と理解するわけです。


初めは戸惑いながら、なんだろうと思いながら、
好奇心も含めて、鑑賞していって、
そういう思いがけない反応になった。

私としては、うれしいことです。
ライブをやりにきてよかったなと思いました。


■■落語家が使う江戸扇子■■

扇子というのはいろんな種類はあるけれど、
日常生活の中でも家に1本はあります。

おめでたいときには、
その扇子を持って挨拶に行ったり、
人にプレゼントをするときには扇子の上に乗せて品物を
渡したものです。
扇子を開いて、お盆の代わりにしていたわけです。


芸能の中にも、踊りの人、能狂言も必ず扇子を持っています。
日舞なんか、この扇子一本で
山を表現したり、川の流れを表現しています。


落語家が使う扇子は、絵も字も何も書いていません。
これを今では江戸扇子といっています。
真打になったときに自分用の扇子を作るのですが、
この扇子の裏に自分の名前を入れます。


扇子というのは京都で盛んに作られます。
今、皆さんの家にある絵などが描かれた賑やかな扇子は
京扇子です。


落語家が使っている扇子の骨の数は決まっています。
15本です。
京扇子の方が骨の数は多いです。

また、京扇子は、ひもがついていますが、
落語家が使う江戸扇子には、ひもはついていません。


扇面の一番上の部分を「天」、一番下の部分を「地」と
いいます。
「天地」「人(扇子を持つ人)」これは宇宙を表している
わけです。

左右の外側の骨を「親骨」といいます。
中の13本の骨は「子骨」です。

地のところにある15本の骨を止めている部分を「要」と
いいます。
「月」をつけると「腰」という漢字になります。
人間の体の中で腰が要なんだということが解ります。


扇子を開いて、扇面が出っ張ったところが「山」。
へっこんだところが「谷」です。
扇面をひっくり返すと、山と谷が逆になる
仰ぐと風が起こる。


扇子一本で、人間の体を表すし、
自然も表すし、宇宙まで表現しているわけです。

ひとつで、いろんなものを物語っている。
そういう使われ方をしたのが扇子なのです。


■■見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ■■

落語家は、扇子一本で、いろんな表現をします。
例えば、
扇子を綴じたときに「いただきまーす」とやれば箸になります。
書くしぐさをすると筆になるわけです。


今度は、扇子を肩にあてがって、
子供たちに「何に見える?」というと考えこんでしまいます。
「天秤棒を担いでいるんだよ」と教えます。


ところが、扇子を肩にあてがっても、それだけでは判らない。
そこで「と〜ふ〜(豆腐)」というと、

「あっ、何か売りに来た人が棒を担いでいる」
と子供たちは想像でわかるわけです。


思い描いてくれたということは、
「見えないところを、見てくれた」ということです。

見えないけれど、「ある」ということをつかんでくれた
ということです。


今、小学校のどの国語の教科書にも、
金子みすずさんの詩が載っています。

金子さんの詩の中に、
「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ」
という詩があります。


落語家がいろんな仕草をしますが、
みんな金子みすずさんの詩と同じ。

見えないけれど、あるのです。
見てもらいたい。


例えば、
「山に差し掛かりました」といっても、
そこには、山なんてないわけです。

でも、
噺家が「山に差し掛かりました」といったときに、
皆さんが山を思い描いてくださると「落語が理解できた」
ということなのです。


落語のほとんどが、
「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ」
ということなのです。


今の世の中、
ついつい見えるもの、見ているものを信用しませんか?

見えないもの、聞いていないものを、
見たり、聞いたりする能力をもたないと真実の情報は
つかめません。


落語というのは、見えないけれど皆さんが見てくださる。
だから成り立つのです。


落語の授業をやりながら
子供たちに、「自分たちで本当のものを探してみよう」
という気持ちになって欲しいと思っています。



★平成19年 9月例会
平成19年9月12日(水)

★平成19年 9月例会

日時  平成19年9月12日(水)  講演 18:30

講師 (有)アスコンティ 
     代表取締役 伊藤 素美子氏
     http://www.asconti.jp

テーマ 「出会いをチャンスに!
          コミュニケーション・パワーアップ講座」

会場   名古屋クレストンホテル9F宴会場  
     TEL   052-264-8000 
■ 名古屋経営研究会通信 2007/9/30
■■ 9月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「出会いをチャンスに!
■■■■  コミュニケーション・パワーアップ講座」
■■■■ 講師 有限会社アスコンティ
■■■■ 代表取締役 伊藤 素美子 氏
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■       
 
                開催日 平成19年9月12日(水)
                 会場   名古屋クレストンホテル9F宴会場


■■良い人間関係を作るために■■

私たちは仕事でも、プライベートでも
自分以外の人とコミュニケーションをとりながら生きています。
しかし、誰とでも「良い関係」を築けるものではありません。
なかには苦手な人や避けたい人もいるかもしれません。


けれど、
自分が嫌いな人の話を聞きたくないように、
あなたを嫌う人には話を聞いてもらえないのです。
つまり
「相手に好かれなければ、なにも始まらない」ということです。


ここでは、
あなたが「良い関係」を築きたいと思っている相手にも、
あなたと「良い関係」になりたいと思われるようになる方法を
お教えしましょう。


■良い人間関係とは…

そもそも「良い人間関係」とはどういった関係を指すのでしょう?
また、そうでない関係とはどんなものがあるのでしょう?

●普通の人間関係
出会ったばかりで、好きでも嫌いでもない状態。
協力をしてと言われれば、協力してあげるというような関係
断る理由はないが、積極的になる理由もない。

●悪い人間関係
あの人には協力をしたくないし、
されたくもないと思ってしまうような関係

●良い人間関係
協力をしてと言われれば、快く協力してあげたい
というような関係

●最も良い人間関係
こちらから言わなくても、
あなたのためなら、何でも協力しましょうといってもらえる関係


「私、新しい仕事を始めたので、誰かお客さんを紹介してもらえ
ますか」と頼んだときに、
「そうですね」と考えてくれるのが良い関係だとすると、

頼まなくてもお客さんを紹介してもらえるとか、
「役に立てることがあれば何でも言ってね。」
といってもらえるのが最も良い人間関係といえます。


では、
私たちが出会った人たちと、
良い関係、そして最も良い関係を作っていくには
どうしたらよいでしょうか?

まずは第一印象をよくすることです。

●第一印象
人間には誰にも、ある程度「相手」を見定める能力があります。
それは、
自分が相手と出会って最初に感じる感情…「第一印象」です。

では、
「自分自身」は「相手」にどんな第一印象を与えているか、
ということについて考えたり、

「こんな第一印象をもたれるようにしよう」と
工夫したりしている人はいるでしょうか。


第一印象では、相手に「この人ともっと話したいな」、
「話しかけたいな」と思わせる雰囲気をもっているかどうかが大切。
やわらかい笑顔でいるのと、
ブスッとした顔でいるのとでは印象は違ってきます。

しかし、
「第一印象」は、
態度や表情などの外見だけで判断されてしまいがちなので、
どうしても「第一印象」があまり良くない人もいらっしゃるのが
現実です。

ところが、
第一印象の良くない人が、印象を良くする簡単な秘訣があります。
それは、「感じ良く自分から話しかける」ということです。


自分から話しかけることによって、
良くなかった「第一印象」を良い印象に変えることができます。
これを私は「第二印象」と呼んでいます。


ですが、「自分から話しかける」のは、
「無視されたりしたら…」と思うとなかなかできないものです。

しかし、こんな例があります。
ある新人研修のときに自己紹介をしてもらいました。
あるひとりの方が、「自分から話しかけるのはちょっと苦手。
でも、感じよく話しかけられたら、うれしい」と言いました。

すると
「自分も…」「私も…」という人が9割以上もいたのです。
ほとんどの人が、「話しかけられたらうれしい」と思っているのです。


多くの人が感じている、「話しかけることへの警戒心」というのは、
自分の中に勝手に作っている見えない壁といえるでしょう。

どれだけ人に勇気をもって話しかけることができるか。
この勇気の分が自分の印象をアップする大きなポイントに
なるのです。


また、感じよく「挨拶」することも好印象につながります。
「挨拶はなぜするのか?」ということを若い人たちに聞くと、
「することになっているから」という人がいます。
だから、心のこもっていない挨拶も多くなるのですね。


挨拶の目的は、人と人との精神的な距離を縮めるためです。
「おはようございます」という文字を相手に言う行為が
「挨拶」ではありません。

「おはようございます」という言葉に、
「今日も一日どうぞよろしくね」という心のメッセージを込め、
相手に伝える事こそ「挨拶」といえるのではないでしょうか。


良い人間関係をつくる次のポイントは「相手の話をよく聴く」ということです。

●聴き上手
話し上手は、聴き上手。
聴き上手は、話させ上手といいます。

良く聴くことの効果として、
相手の話を良く聴くことで、
その人の情報を得ることができるということがあります。

相手が本当に困っている問題点を知るには、
初めから自分の話をするよりも、
相手に関心を持って話を聞くことからスタートする。
その方が、とても相手の人の話が聞きやすいのです。


そして、
良く聴いてもらい、
自分のことを解ってもらえたと相手が思ったときに
信頼されるわけです。

話をしたいのをグッとこらえて、
相手の話を「聞いて・聴いて・訊いて・話す」を心がけてみて
ください。
きっとあなたに対する信頼はゆるぎないものになっている
はずです。


さて、印象よく、相手に信頼もされたところで、
いよいよ話す番です。
その時は、まず何に気をつければよいでしょうか。
大きなポイントは「自尊心を傷つけない」ということです。


■■自尊心の三つの種類■■

私たちが人に話をするときに、
思わぬところで相手の自尊心を傷つけるということがあります。
自尊心には、3つの種類があります。

●自己尊厳本能
誰もが持つ、「認められたい」「重要に扱われたい」と思う心。
この自己尊厳本能というプライドを傷つけないことです。
「バカにされた」「無視をされた」と感じさせると、この自尊心を傷つけます。


●自己保存本能
知らないうちに相手を責めているような会話になったとき、
相手が自分を守ろうとする本能。

例えば
「ここにあった1000円知らない?」と聞いただけのつもりが、
疑われたと感じさせて「私が盗ったんじゃないわよ」と言われたり、

「そんなに大事だったらしまっとけば良いじゃない!」という
答えが返ってきたりするわけです。

こちらには全然悪気はないのに、
相手の人がムッとして、逆に責められたりする・・・。
それは、
自分の言葉で相手に防衛したいという意識を働かせてしまう
ということです。


●自由本能
人は自分のことは自分で自由に決めたい、
他人に決められたくないという気持ちが必ずあります。

例えば買い物に行ったときに店員に、
「お客さんにはこれが一番良いですから…」とか
「あなたには青が似合うんです」といわれると、
たとえそれが言われたとおりだったとしても、
あまりいい気はしないものです。


「青と赤がありますが、どちらがいいですか?」
といわれるのでは、だいぶ印象が違ってきます。

自分で選びたい。
自分で決めたい。

という本能が人間にはあるということをよく理解したうえで、
話をしましょう。


●謙虚さと思いやりでプラスのスパイラル
話し方が上手になった。
人と良い人間関係がきるようになった。
人脈が増えてきた。

そのときにこそ、気をつけないといけないのが「謙虚さ」。
そして、
忘れてならないのが「思いやり」ではないでしょうか。


自尊心を傷つけないというのは、
思いやりの心以外の何ものでもありません。
このようにして、
私たちの人生における数多くの出会いを、
ぜひとても人間関係として発展させていきたいものです。

.
.

.

.7月例会
2007/08/07

■■ 6月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「新聞社―破綻したビジネスモデル―」
■■■■ 講 師 河内孝事務所 代表
■■■■ 東京福祉大学特任教授
■■■■ 慶応義塾大学非常勤講師
■■■■     河内 孝 氏
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■       
 
                開催日 平成19年7月20日(金)
                 会場   ローズコートホテル


■■日本メディア界の特殊性■■

2004年の新聞協会のデータによると、
新聞の発行部数は中国で毎日8800万部。

日本は朝夕刊を1部と数えると5200万部で世界第二位。
日本の人口の2.8倍のアメリカが5万4千部発行されています。


ここで注目したいのが発行部数ではなく媒体数です。
日本は発行部数が非常に多くて発行媒体が非常に少ない。
会社にとって都合のいい産業体質になっているといえます。

これは「言論の数は民主主義のバロメータ」ということから
考えると、言論の多様性がないということです。


今の日本の107という媒体数はどうしてできたのか?
これは資本主義の競争でもなければ、
企業としての努力の結果ではありません。
第二次世界大戦のお陰です。


日本も1938年の満州事変の直前では1400から1600ありました。
今のアメリカぐらいの新聞社があったのです。

ところが、
国が戦争を遂行していくときに、軍部の文句をいわれてはうるさい。
新聞は少ない方がいいのです。


そこで、当時は「お前の会社は何トン使ってよろしい」というような
原料供給の権限を政府が持っていたわけです。
そのため、
昭和12年から18年にかけて1400あった新聞社が56に減らされました。


愛知県では愛知新聞と名古屋新聞が合併され、1県1紙。
それと全国紙を足して56。
今日の新聞の寡占体質は軍事政権に作ってもらったわけです。
日本の新聞社というのは総動員体制そのままの姿なわけです。


日本の新聞社の産業的な、
もう一つの特徴はテレビを支配しているということです。
新聞社がテレビ局の大株主になっています。
こういう形態は、世界的に見ると非常に例外的です。


新聞社がテレビ局を支配しているのは
民主主義の国ではスペインだけ。

したがって、
テレビと新聞の間でメディア間の健全な議論、相互批判
というのがありません。


■■新聞離れの背景■■

言うまでもなく今、人口は減っています。
その上、深刻なのは30歳以下の人は仮に家で新聞を
取っていたとしてもあまり読まない。

50歳以上の人は、新聞は読んでいても新聞代が高いから
会社や喫茶店、図書館などで読むようになった。
これが新聞離れの背景です。


2004年の通信白書によると、
「何によって情報を得ているか?」という調査に対して、
ニュースはテレビが一番多く80%。

あとは全てインターネットが一番多く、
健康情報60%、生活情報70%、旅行情報80%、遊び情報85%、
勉強情報61%、仕事情報60%となっています

つまり、
情報はインターネットで取れるから新聞は必需品ではない
ということがわかるかと思います。


■■破綻したビジネスモデル■■

今、新聞では広告収入が取れなくなってきています。

2005年の統計によると、
70年代にテレビに抜かれてから何とかついて来たのですが、
90年代のバブルで完全にテレビに差をつけられて
現在テレビが2兆円。
新聞が1兆円です。


インターネット広告は急速に伸びています。
2006年は3600億。
一昨年にラジオを抜き、昨年度、雑誌を抜きました。

このインターネットの上りカーブと、
新聞の下りカーブがいつ交差するかというのを計算してみました。
ここ5年くらいではないかと思います。


例えば
中日新聞は名古屋市内においては70%近いシェアをもっています。
徳島新聞の場合、86%くらいあります。

そういう新聞を含めて、
広告売上げは対前年比で10%は割っているんじゃないでしょうか。

シェアはあっても広告は取れない
部数が多くても広告が取れない
いったいどうしてなのか?


新聞社の社長は「広告がでなくなった」といいますが違います。
新聞への掲載から、メインは折込広告に替わっているのです。
その方が値段も安いのです。


新聞社というのはメーカーです
販売店さんが注文した部数をいれています
その先がどうなっているか知りません
ユーザーの顔が全く見えていないわけです


高度成長期は、
実際に売れている部数以上の新聞を販売店に送り込んでも、
インセンティブと店主のやる気とリベートによって
実際の部数にかえることができました。
ところが今は違います。

高度成長期のビジネスモデルは全く逆に働いてきました。
店には売れない新聞が山と積まれるわけです。


日本で生産されている新聞の10%が産業廃棄物と仮定すると、
杉に換算して200万本くらいは切っていることになります。
売れていない新聞を広告収入のために発行して、
販売店に送り続けて、
梱包のまま製紙工場の溶鉱炉に放り込むのはやめた方がいい。
そう思います。


私が「新聞社、破たんしたビジネスモデル」(新潮新書)で提案した
改革を急いで実行しないと、
日本の新聞社は、いん石で滅びた恐竜と同じ運命をたどります(了)


「新聞社―破綻したビジネスモデル―(新潮社)
2007/07/28

著書に、
「新聞社―破綻したビジネスモデル―(新潮社)2007.3発行」
河内孝/著


潰れるか? 生き残れるか? 元大手紙幹部が明かす危機の実態。

新聞という産業は今、様々な危機に直面している。止まらない読者の減少、低下し続ける広告収入、ITの包囲網、消費税アップ、特殊指定の見直し――そして何より、金科玉条としてきた「部数至上主義」すなわち泥沼の販売競争は、すでに限界を超えている。いったい新聞は大丈夫なのか。生き残る方策はあるのか。元大手紙幹部が徹底的に解き明かす、新聞が書かない新聞ビジネスの病理と、再生への処方箋。

発行形態 : 新潮新書
判型 : 新潮新書
頁数 : 220ページ
ISBN : 978-4-10-610205-9
C-CODE : 0236
整理番号 : 205
発売日 : 2007/03/19

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