レポート・歴史

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6月例会 講演レポート
2008/07/03

名古屋経営研究会通信 2008/6/30
■■ 6月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「トヨタに学ぶ元気企業の発展メカニズム
■■■■           −成長する考え方と技法の秘訣−」
■■■■ 講師 名城大学経営学部 名城大学大学院経営学研究科
■■■■     教授  伊藤 賢次 氏     
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■       
 
                開催日 平成20年6月18日(水)
                 会場  ローズコートホテル

■■Q(品質)C(価格)D(数量・納期)(キュウ・シー・ディー)が
                          企業成功のカギ■■

製造業にとっての課題は2つあります。
1つは多品種少量生産。
もうひとつが、高いQCD水準です

品質が良くて、値段が安く、
納期も自分が欲しいときに、欲しいものが手に入る。
高いQCD水準を実現することが
今企業にとって一番大事なことではないかと思います。


従来は、品質と値段が一般的に考えられてきましたが、
21世紀ではD(数量・納期)がとても大事になってきました。
大事なことは、「欲しいときに、欲しい数だけ」ということです。

代表的な成功例が、
外食産業(ファスト・フード)、CVS(コンビニ)、宅急便です。
ちなみに牛丼の吉野家のキャッチフレーズは
「うまくて(Q)、安くて(C)、速い(D)」で、QCDそのものです。

コンビニは355日、24時間営業で、
家から歩いて行けるところにあります(D)。

宅急便(正確には宅配便)も翌日には必ず届ける(D)のが売り物で、
短期間で郵便小包を圧倒しました。

これをトヨタ流にいうと「ジャスト・イン・タイム(JIT)」です。


企業の成功要因は、
「高品質、低価格、短納期の“同時実現”」です。
これが世の中の流れです。
背景には売り手市場から買い手市場への大きな転換があります。


■■事業革新のための技法としてのトヨタ生産方式(TPS)■■

TPSは、JIT(源は豊田喜一郎)と自働化(源は豊田佐吉)の
2本柱からなります。

JITとは、
お客さんが「欲しいものを、欲しいときに、欲しい数だけ」、生産し、
供給するということです。

ですから、基本的には、1個流しです。
生産は、1個単位。

なぜなら、
お客さんの要望は、基本的に1個単位でくるからです。
また、不良を作ってしまった場合、
1個単位で作れば、不良は1個で済みますが、
同時に2個作ってしまうと不良も2個作ってしまうことになる。
そういうムダをなくすためです。

1個流しですと大きな備や場所は不要となります。
大きな資金は不要です。
必要なものは知恵であり、カイゼン活動です。

またこうすれば、
お客さんからの要求の変化にもすばやい対応が可能となります。


自働化〜ニンベンのついた自働化。
機械が作る以上、必ず、不良や異常が発生します。

そういうときに、直ちに生産をストップしなさい。
それから原因を探って、
原因が判り対策を立てたら生産を再開するという考え方です。

「徹底したムダ取り」であり、「カイゼン活動」なのです。
不良はムダの中でも最大のムダです。


こういう話をすると誰もが納得しますが、
多くの人は「ムダとはなにか?」ということが具体的に解っていません。

例えば、
ある場所から、別の場所へ部品を運ぶ。
作業を終えた部品を数える。

確かに、これらは
「作業」をしているとはいえますが、「仕事」をしているとはいえない。
全てムダなのです。

ムダか、ムダでないかは、
その作業が付加価値を生んでいるかどうかで判断する。
これがTPSの考え方です。


どんな生産工程でも、前工程と後工程があります。
自分が作ったら、後工程に流すというのが一般的なやりかたです。
この方式では、自分の工程と後工程の間に仕掛かり在庫が
発生します。

ところが、
ジャスト・イン・タイムでは、こういうやり方をしません。
まったく“逆”になります。
後工程から指示がきて初めて作るのです。

そうすると、工程間在庫はゼロになる。
顧客(後工程)からの指示にもとづいて“初めて”作業に取り組む
ということであり、顧客本位の考え方です。

顧客の要求がすべての活動の出発点であり、
良否の判断基準となります。


TPSの大事なことは再発防止です。
再発防止策として、
一般的には2段階ですが、TPSでは3段階あります。

例えば、
テレビの画像が突然、乱れたとします。
そこで、テレビを手でたたくと直ったとする。
「現象」の除去ができたわけです。

ところが、
「原因」は除去されていないわけですから、
しばらくすると同じ問題が発生する。

TPSでは、第2段階として、問題の原因を除去するわけです。
テレビの例でいえば、埃によるショートが原因であれば埃を取る。
配線の錆が原因であれば、取り替える。

普通はこの2段階で終わりです。
TPSでは、これではダメなのです。
弟3段階として「真因」の除去をする。

埃が入らないように設計変更するとか、
配線をステンレスに仕様変更するといったことをやるわけです。
こうすれば、再発防止に留まらず、
問題発生以前に比べて、カイゼンされた(水準向上)が
実現されたことになります。


カイゼンには4つの段階が考えられます。
カイゼンをするというと、
「機械を入れたらどうか」というような話をスグしますが
まずは現場のカイゼンが大事です。
「4つのゼロ化と3つのムダ取り」を徹底的にやるのです。

4つの「ゼロ化」とは、
生産不良をゼロにする。
在庫をゼロにする。
生産停止(ストップ)をゼロにする。
運搬をゼロにすることです

3つの「ムダ取り」とは、
動作のムダ。加工のムダ。ヒトのムダです。

それをやった上で、
どうしても、これ以上はできないという段階になってはじめて、
生産設備のカイゼンをやる。

生産設備のカイゼンをやっても上手くいかない場合は、
製品の設計が間違っているのです。
製品のカイゼンをしないといけない。

それでも、ダメなら
その事業そのものが間違っているのです。
その場合は、事業のカイゼンです。
新規事業へ転換することも考えないといけない。


TPSは一般的に、現場のカイゼンだといわれていますが、
実は、事業革新なのです。
ビジネスのシステムそのものを変える。

TPSは、単なる技法ではなく、
このようにラジカルでドラスティックな考え方を持った
経営革新そのものと位置づけられます。

私は、TPSのこうした特質はもっと評価されるべきであると
考えております。


■■TPS定着のカギは、全員の意識改革■■

今、いろんな会社がTPSを導入しています。
しかし、なかなか成功していないのが実情です。
なぜでしょうか?

基盤ができていないとTPSは成功しないのです。
基盤というのは5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)です。


TPSでは
「整理」とは、必要な物と不要な物とを分けて、
不要な物を捨てることです。

そして、
必要な物を必要な時に、
すぐ取り出せるように順番にならべることが「整頓」なのです。
これをしないから、物を探すというムダをしてしまうのです。


物は使っていると必ず汚れてきます。
そこで「清掃」が大切になるのです。
そして、整理、整頓、清掃を維持することが「清潔」。
皆で決めたことは守る。これが「躾」です。


5Sを徹底するだけで、2、3年はかかります。
TPSという技法が定着するかどうかは
全員の意識改革によるわけです。
経営学では、これを組織文化といいます。

「メンバーが当たり前と考えている物の見方、考え方、
及び行動の仕方」が組織文化です。


これからは新QCD式の展開として、
QCDNSRが大事になるのではないでしょうか。

N(New Products):魅力溢れる新製品
しかも、S(Speed):他社よりも早くやらないといけない。
そうすると、
結果としてR(Reliability):信頼、ブランドができるのです。


さらに、社会がどんどん変わっていくと、
環境問題とか、社会的責任というようなことが
評価されるようになります。
そうすると企業の評価項目も変わってきます。

そういうことも考慮しながら
顧客の評価価値を高めるようにしないといけないのではない
でしょうか。


最後になりますが、
TPSはトヨタ自動車を中心に開発された
画期的な生産技法であるだけでなく、
革新的な経営技法であり、考え方であり、
日本発の人類共通の貴重な知的財産であると考えております。

人間のもつ頭脳の働き(知識創造活動)を最大限に引き出して
豊かな生活をつくりだすための叡智の結晶であり、
基盤には人間性尊重の考え方があります。


付記:
さらに詳細な内容に関心のある方は講演者の近書
『現代生産システム論―TPS(トヨタ生産システム)を中心として−』
創世社(2007年5月出版)、@2000円(税別)
を参照願います。

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現代生産マネジメント TPS(トヨタ生産方式)を中心として

伊藤賢次/著、創成社、2007年4月発行
価格:2,100円
1〜3週間で発送
(ビジネス、経済 > 経営管理 > 生産管理)

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お客様オススメ度 ★★★★★ (0点/5点満点)、お客様レビュー0件


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国際経営 日本企業の国際化と東アジアへの進出

伊藤賢次/著、創成社、2002年3月発行
価格:2,835円
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(ビジネス、経済 > 経営学 > 経営学その他)

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現代経営学 環境変化と自己革新

伊藤賢次/著、晃洋書房、1997年11月発行
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東アジアにおける日本企業の経営 経営のグローバル化と「日本的経営」の移転

伊藤賢次/著、千倉書房、2000年1月発行
価格:2,940円
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●プロフィール

1946年9月 愛知県生まれ。
1969年3月 名古屋大学経済学部卒業、
        名古屋大学大学院経済学研究科中退。

        メーカーに勤務し、
韓国とインドネシアの合弁会社駐在(合計約5年間余)
をはじめ国内外の業務に幅広く携わる。
        1993年3月退社し、同年4月より大学教員となる。

         宮崎産業経営大学経営学部、
        岐阜聖徳学園大学(旧校名:岐阜教育大学)
       経済情報学部を経て、

2005年4月 名城大学経営学部及び大学院経営学研究科教授
として着任。      

現在 名城大学経営学部及び大学院経営学研究科教授

著書『東アジアにおける日本企業の経営―経営のグローバル化と
「日本的経営」の移転―』千倉書房 2000年。
『現代生産マネジメント−TPS(トヨタ生産方式)を中心として−』
創成社、2007年 他多数

http://wwwbiz.meijo-u.ac.jp/contents/kyouin/itou_k.htm




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5月例会 講演レポート
2008/06/03

■ 名古屋経営研究会通信 2008/5/31
■■ 5月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「スポーツビジネスと社会貢献活動の融合」
■■■■ 講師 株式会社インディペンデンス 代表取締役社長
■■■■     ホワイトハウスクリスマスオーナメントジャパン 事務局長
■■■■     近藤 洋介氏
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■       
 
                開催日 平成20年5月23日(金)
                 会場  名古屋クレストンホテル9F宴会場


■■親子間事業継承■■

幼い頃から私は、営んでいる業に対しての思いが強く、
父の事業を継ごうと決めたときも、
当時、従業員が200、300名いましたが、

おそらくこの中の誰よりもお菓子に対する思い入れは負けない
と思っていました。

2日間で約50件、
食べたケーキの数は一人で300以上の食べ歩きをしたことも
あります。


ところが、時代が変わり、
インターネットが普及し、
店舗がなくてもケーキが売れる時代になり、
コンビニでもケーキが1個からでも買える時代になってくると
多店舗展開の論理が通用しなくなりました。


そこで当時、
私が何を考えたかというと、
店舗をやめるために、
もしくは工場を1つ閉鎖するためにどうしたらいいのか
ということでした。

ただ、当時の役員会では
それに対する結論をどうしても出すことができなかった。

そこで私は、
「同じ会社の中ではムリだろうな」という思いから、
自分の退路を絶って覚悟を決めようと思ったのです。


会社を辞め、
そして自分で会社を作って、
まずは本体が売っていないマーケットを自分で作りました。

本体が売っていないマーケット。
それは、お葬式でケーキを売るということでした。


そういう実績をもとに、
いよいよ本体をどうしようかと考え
営業権を取得するという形で、
全従業員、全取引先を引き継ぐことで事業継承を
したわけです。


新体制になってからの第一回目の役員会。
半年後に全店舗撤退、閉鎖、工場売却ということについて
審議していただきました。

当然、役員として迎えられた旧会社のメンバーたちは、
目が点になるわけです。


そこでは当然、折り合いがつかず、翌日、出てきたのが
全員からの辞表。

このとき役員に、
「辞めるのであれば、辞めていただいて結構です」
と腹を据えて言えたのは、

この会社を作ったのも自分、
お金を借りるための連帯保証人の印鑑をついたのも自分、
全責任を負って、全て私自身のジャッジで動いてきた
という強い思いがあったからです。

自分もそれなりの覚悟を目に見える形で示して
物事に取り組んでいくことは、
後継者には絶対に必要だと思います。


創業者が後継者に一切の口出しをしない。
これはまさに私の父のことです。

その結果、
全店、無事に撤退もでき、
それに代わる売上げも作れ、
会社もブランドも残り、

お取引先も減らすことなく、事業の再編が終わったのです。
2つあった工場も1つに集約しました。


今、私の前の会社は、
自社物件はゼロの状態で、
自己売上だけで全てがまわる業種業態に変わっています。


まとめとして、事業継承で創業者に大切なことは・・・

1. 創業者が後継者に任せられない。
  可愛さゆえ、矢面に立たせることができないと思うならば
  生涯現役を続けるべきだと思います。

  もしくは、
  会社の売却、会社の清算も立派な選択肢だと思います。


2.自分と絶対に比較をしない。
  創業者のものさしを、後継者にあてられたら、
  やる側はたまったものではありません。


3.任せたならば、ひたすら信じる。
  無言の応援です。
  任せたということは何も言わない。
  ゼロになってもやらせるという腹があってはじめて
  任せたといえるのではないかと思います。


後継者に大切なことは

1.後継者は従業員の誰にも負けない事業に対する熱い思いと、
  圧倒的な実績を持つ


2.将来、自分が事業を継いだときに、
  この事業をどのように展開していくかという発展に向けての
  青図が描けるのかどうかが大事。

  それが描けなければ、
  継いだとしてもおのずと消えていくことになってしまいます。


3.例え、極端な話、全従業員がいなくなっても、
  一人で絶対にやりきってやるという強い決意と思いを持つ


4.全ての出来事に対して絶対に逃げない。
  どんな場面になっても矢面に立つ勇気が必要だと思います。 


■■第二創業■■

今、私は、インディペンデンスという会社で
バスケットボールという違う世界をやらせていただいています。


私が24歳のときに、
自分の「高い志」として「人々にハッピー&スマイルを」、
このために自分は生きていくんだということを掲げました。


私が掲げているキーワードは3つ。

1.お菓子
2.バスケットボール
3.ホワイトハウス

これをもとに事業を組み立てています。


1916年4月に創業し、菓子事業としては今年92年目です。
2015年が創業100周年。

今、私が考えて動いているのが創業100周年に向けて、
祖父がやっていたお団子をアメリカで展開をしたい
ということです。


日本のお菓子の文化というのは、
和菓子に代表されるように包み込む文化。
一方、
洋菓子の世界というのは、外へトッピングしていく文化です。

お団子に洋菓子の文化を取り入れ、
そこにアメリカのエンターテイメントの要素を組み込んだら、
お団子はもっと面白い世界になるだろうと思います。


じゃあ、なぜ今の事業がバスケットボールなのか?

最初からお団子を持っていくことも可能だと思います。
でも私が持っているネットワークや友人知人というのは
大学の留学時代の限られた人たちです。

そこで、
アメリカの国技ともいえるバスケットボールを
日本で普及しながら、
バスケットボールでのネットワークをアメリカで先に作れば
友だちが増やせる。
いろんな意見も聞けるようになるわけです。


そこで昨年、私たちは、
世界初、多店舗展開型のバスケットボールレンタルコート
事業として、1号店を愛知県一宮市に開設しました。
ここはカフェテリアでお茶もできる複合施設になっています。


バスケットボールだけでは弱いので、
もうひとつ3年前に目をつけたのがホワイトハウスです。

「ホワイトハウス クリスマスオーナメント」という
毎年ファーストレディーがデザインに関わるクリスマスツリーの
飾りの販売をしています。

アメリカで団子の事業をやるのは2011年と決めています。
2015年には200店舗を目指しています。


今、年に2回、
アメリカの幼稚園、保育園、小学校の新しい体育館の
建設協力金として
レンタルコートの売上げの一部を、
ファンドを組んで寄付をさせていただいています。


これからは環境問題も大事ですが、
スポーツを通して社会貢献をするという活動も
必要になってくるだろうと思います。

4月例会 講演レポート
2008/05/12

2008/4/30
> ■■ 4月例会 講演レポート
> ■■■ テーマ  「ものづくり中部の勢いを支援したい」
> ■■■■ 講師 中部経済産業局
> ■■■■     局長 大辻 義弘氏
> ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■       
>  
>                 開催日 平成20年4月10日(木)
>                  会場  ホテルオークラレストラン名古屋
>
>
> 昨年の7月に東京から名古屋に赴任して参りました。
> モノ作りの中心に来ることができて張り切って仕事をしております。
>
> 当地域は、
> 自動車だけではないモノ作りの総合的な集積があり、
> それが強みになっていると思います。
> 工作機械や航空機などの集積も進んでいます。
>
> また、
> 素材の集積が見られることも強みの1つであると思います。
> モノ作りの集積がここまで進んでいる地域は
> ほかには見当たらないのではないかと思っています。
>
>
> ■■サービス産業の発展■■
>  
> 中部地域ではモノ作り企業が頑張っていますが、
> モノ作りのGDPは全体の3割程度に過ぎません。
> 7割はサービス産業です。
>
> サービス産業の生産性が向上しないと
> 日本はグローバル競争の中で生き残っていくことができません。
>
> 特に、この地域は、
> サービス産業が弱いと一般的に言われていますが、
> そういうイメージを打破していきたいと考えています。
>
> これまで生産性向上という意味で成功している地域でもあり、
> この地域のサービス産業は伸びるはずだと思っています。
>  
>
> 現在、少子高齢化が進んでいますが、
> これは確かに厳しいことです。
> 経済成長を支えるものは、
> 労働の投入と資本の投下と生産性の向上です。
>
> もともと戦後、
> 人口が増えることによって高度成長が加速されました。
> これから人口が減っていく中で
> 人口の増加が続いている国々と競争していくのは
> 大変なことです。
>
>
> 今まで以上に
> 女性や高齢者が働きやすい環境が整えられれば、
> サービス業においても新しいサービスが生まれたり
> 多様なサービスが提供されるようになると思います。
>
>
> ■■ヒト、モノ、カネ、ワザ、チエ■■
>
> 経済産業省としては、
> 今後、「ヒト、モノ、カネ、ワザ、チエ」で表現される
> ソフトなインフラの整備をするのが役割になってくる
> と思っています。
>
>
> 「ヒト」と言う部分では、
> 複線的な生き方ができるような教育にしないといけない
> と思います。
>
> 現在でも中部地域ではモノ作り分野を中心に、
> 「モノ作りは人づくり」という考え方のもと、
>
> 小学校から大学院あるいは職場まで
> 先進的な人づくりが行われています。
> そういう人づくりをますます進めていかねばなりません。
>
>
> 「ワザ」は、技術開発ということであり、
> 産学官交流を積極的に進めていくつもりでおります。
>
>
> 当局として力を入れていくのは、
> 「ヒト」と「ワザ」だと思っています。
>
> 人材の育成と中小企業の技術開発、
> この2点に絞ってやっていきます。
>
>
> 減価償却制度を抜本的に改正し、諸外国並みにしました。
>
> 韓国では、エレクトロニクス産業を振興するために、
> 米国などよりもきついカーブとし、
> 1年で償却できる比率を高めていますが、
> 今回、日本では、
> 韓国よりもきついカーブの償却になっております。
>
>
> 事業承継も中小企業にとって本当に大きな問題ですが、
> 承継がスムーズにいくような税制改正が進められています。
> 企業の設備投資が正しく報われる制度になってきている
> と思います。
>
>
> 金融機関は、
> 不動産を担保にお金を貸すだけのやり方から脱却し、
> 真のリレーションシップバンキングに移行してもらいたい
> と思っております。
>
>
> 動産担保に関しては、
> この地域は結構進んでおりますが、
> モノ作りの本拠地であるだけに、
> もっと進めていけると思います。
>
> 金融機関の目利き力を高めることは重要だと思います。
>
>
> ■■グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ■■
>
> GNI(グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ)で
> 外国企業誘致活動を行っています。
>
> ヨーロッパの人に
> 中部地域の代表的なモノ作り産業の全国シェアの表を見せますと、
> 大変驚かれます。
>
>
> 昨年GNIミッションで訪欧した時には、
> セミナー出席者は、
> 本ミッション団長の野呂知事のスピーチに迫力を感じた
> ようでした。
>
> それは、
> 当地域のモノ作りの集積が群を抜いていたからであります。
>
>
> GNIでは、3県が協力し、
> 県をまたいで統合された名古屋から100kmの圏内で
> 企業誘致を行っているところに意義があります。
>
> ほかの地域では、
> 県毎に企業誘致に取り組んでいますが、
> それでは外国人に経済の実態をわかってもらうのは大変です。
>
>
> 今後は、名古屋から200km圏内という視点で見ていくことにも
> 意義があるのではないでしょうか。
>
> 一例として
> 観光面で言えば、外国からの観光客が、
> セントレアから来て富山から帰ってもいいと思いますし、
> 関空から入った観光客も京都経由で
> セントレアから帰ってもいいのではないかと思います。
>
>
> ■■開かれた経済圏としての発展■■
>
> 開かれた経済圏にすることが重要だと思いますが、
> そのためにはインターナショナルスクールや
> 病院の充実が課題だと思います。
>
>
> 例えば、
> タイの病院では、
> 外国人向けのサービスを提供しており、
> 割高な料金になってはおりますが、
> 通常、外国人は高くても専用窓口を選んでいます。
>
>
> 中部地域には、
> モノ作りを中心に海外駐在経験が豊富な方が多いので、
> 日本の中でも開かれた地域になっていくのではないか
> と思っています。
>
>
> 私の長いアジアとの関わりからみると、
> 名古屋を始めとした東海地区は、
> その工業集積からするとまさに日本のウィンドウ(窓)だと
> 思います。
>
> 中部経済圏が開かれた経済圏として
> アジアの中でその発展に貢献していくことを確信しております。
>

★平成20年 4月例会
2008/04/14

★平成20年 4月例会
日時  平成20年4月10日(木) 講演 18:30  

講師 中部産業経済局
     局長 大辻 義弘氏
   http://www.chubu.meti.go.jp/


テーマ「ものづくり中部の勢いを支援したい」

会場 ホテルオークラレストラン名古屋 
    TEL 052-201-3201 


中部経済産業局長
大辻義弘氏
大辻義弘氏(おおつじ よしひろ)
 平成19年7月、中部経済産業局長に就任。昭和30年生まれ、51歳。東京大学法学部卒業後、通商産業省入省。通商政策局中東アフリカ室長、日本貿易振興会香港センター産業調査員、通商政策局南東アジア大洋州課長、日本貿易振興会バンコック・センター所長、大臣官房審議官等を歴任。

★平成20年 3月例会
2008/03/17

★平成20年 3月例会

●日時 平成20年3月14日(金)
18:00 受付
18:30 講演会
20:00 懇親会
※くれぐれも時間厳守でお願い致します


講師 株式会社 教育企画(名進研)
     代表取締役 豊川 正弘氏
   http://www.meishinken.co.jp/

テーマ「学力低下を考える」


★平成20年 3月例会
2008/03/15

■ 名古屋経営研究会通信 2008/3/31
■■ 3月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「学力低下を考える」
■■■■ 講師 株式会社 教育企画(名進研)
■■■■     代表取締役 豊川 正弘氏
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■       
 
                開催日 平成20年3月14日(金)
                 会場  ローズコートホテル




講演会の映像です

http://www.nagoyakeiei.jp/movie/05.mov

懇親会の映像です

http://www.nagoyakeiei.jp/movie/06.mov

http://www.nagoyakeiei.jp/movie/07.mov

http://www.nagoyakeiei.jp/movie/08.mov

http://www.nagoyakeiei.jp/movie/09.mov


■■今、学力の二極分化が加速している■■

2002年に施行された今の学習指導要領以来、
学力低下ということが
マスコミなどでも騒がれるようになりました。

しかし、
現在の学習指導要領で急に学力低下が
始まったわけではありません。
実際は25年ほど前から学力低下は始まっているのです。


80年の学習指導要領改定のときに、
初めて文部省がゆとりのカリキュラムということを
いいだしました。

70年代に比べると、
そこですでに約1割削減されているわけです。
92年にさらに削減され、
2002年大幅に削減。このときは3割削減。

22年の間に小学校6年間の主要四教科だけで
1000時間も授業時間が少なくなっています。

中学校も同じようにこの22年間で、
主要五教科で675時間少なくなっています。

つまり、
80年から学力低下は進んでいるのです。


私が一番問題にしているのは、
時間数が減って、学力が低下したということだけでは
ありません。

それ以上に問題なのは、
子供たちの意欲の低下です。


22年間でこれだけ時間がどんどん削られたのはなぜか?
それまで
日本の教育学者、
進歩的マスコミ・知識人の共通している議論は
「日本の子供たちは勉強しすぎだ」ということでした。

ただこれは、
30年、40年前の化石のような議論です。

今の日本の子供たちというのは
世界で最も勉強しない子供たちになっているのです。


財団法人日本青少年研究所の調査によると、
高校生の家庭学習をほとんどしないという高校生が
日本は45%。
アメリカが15%、中国が8%。


2時間以上、家庭学習をする子供たちが
日本はたったの23%しかいない。
中国は63%。

その結果、
学習意欲も生きる意欲も非常に低下している。


もっと恐いのが、
高校生の意識調査によると、
将来に備えて今、準備をするよりも今を大いに楽しめばいい
という子供たちが日本は51%もいるのです。
アメリカが40%。中国が20%。


この子供たちが、
ニートとか、フリーターとかになっていくわけです。
これもまた、
進歩的知識人とか進歩的マスコミの人たちは
「個人の自由だ」という言い方をされますが、
はたして個人の自由といえるのか。

個人の自由ではなくて、国が衰退するという問題があります。


今を楽しめばいいという51%、
ほとんど勉強しないという45%の子供たちが
ニートやフリーターになると社会保険制度が成り立たなくなる。

その子供たちが60歳、65歳になったとき、年金がもらえない。
するとどうなるか?
生活保護に頼る。

生活保護は税金で、まかなわれるわけです。
そう考えると個人の自由では済まないのです。


今のような状態の結果、
2000年のOECDの学習到達度調査では、
かつて日本は国語の読解力が41カ国中8位だったのが、
2006年は15位に低下しています。

数学的活用力が、
かつて1位だったのが2006年には10位に低下しているのです。


その結果として「学力の格差」が進行しています。
二極分化になっているのです。

例えば、
私立中学と公立中学の主要五科目の授業時間数は、
国語で1.3倍、数学で1.4倍、英語が2倍も私立の方が多い。

公立がどんどん学習時間を削ってきますので、
それでは不安だと私立に通わせる。

そうなると、
教育感度の高い家庭と
低い家庭で学力に大きな二極分化が起きてくるのです。


大学全入時代という話を良く聞きますが、
それは大学を選ばなければ。。。の話です。

早稲田、慶応、上智、東京理科などの上位校は、
ほとんど倍率は減っていません。
中下位以降の大学になるほど倍率が下がってきて
いるのです。


だから、
中下位以降の大学に行こうとする人たちが
塾、予備校へ行かなくなってきている。
だから、
学力の二極化が進むわけです。


■■本当の「ゆとり教育」に向けて■■

24年前、名進研を立ち上げて
私立中学受験コースを前面に打ち出したときに
2つの誓いを立てました。


ひとつは、
それまでの公立王国だった愛知県で
「私立の中高一貫校を活性化させたい」ということです。


そのために私たちは、
「なぜ、中高一貫校はなぜ優れているのか」ということを
あらゆる機会をとらえ、いろんな会合で啓蒙しました。
何億というお金を使って中高一貫校の記事広告も出しました。


私学に良くなっていただかないといけないということで
愛知県の全私立中学の校長先生、教頭先生に
集まっていただき、
首都圏で成功している私立中学の校長先生をお招きして
勉強会を開いています。


私たちは私学に働きかけて受験機会の複数化も図って
きました。
そうして子供たちが
二校、三校受験できるようにしてきたわけです。


2つめの誓いは、
「河合塾に追いつけ、追い越せ」です。

当時、愛知県で私立中学受験を手がけていたのは
隠れ家的な個人塾がいくつかあっただけで、
あとは河合塾の独占でした。

もう実際は数年前から追い越しているのですが、
どうしても東海中学の合格者数だけが勝てなかった。
でも今年ついに大幅に追い越しました。


今、私たちは私立小学校を作りたいと思っています。
2010年開校を目標にしています。

今、非行問題、学習意欲の低下、
いじめの問題などがありますが
これは幼稚園、小学校のときにきちんと躾けないといけない。


江戸の町家の子育ての格言に
「三つ心 六つ躾 九つ言葉 文十二 理十五で末決まる」
という言葉があります。


3歳までに情操教育をしなさい
6歳までに生活習慣を躾なさい
9歳までに言葉遣いをきちんとできるようにしなさい
12歳までに読み書き計算ができるようにしなさい
15歳までに世の中の理屈、仕組みを教えなさい

それによって将来が決まる、ということです。

中学生、高校生になって躾けようとしても遅いのです

私たちは
塾に行かなくても東海中学でも南山中学でも入れるよ
という小学校を目指しています。

学校だけでしっかりと学力はつけますよ、
というのが本当の「ゆとり」なのです。

★平成20年 2月例会
2008/02/17

■ 名古屋経営研究会通信 2008/2/29
■■ 2月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「ECOとPRとMY−HASHIと」
■■■■ 講師 株式会社 ブレインネットワーク        
■■■■     代表取締役 七野 大輔 氏
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■       
 
                開催日 平成20年2月14日(木)
                 会場  名古屋クレストンホテル9F宴会場


■■MY−HASHIプロジェクトへの想い■■

私は7、8年前からMY−HASHIを持っています。
なぜかというと、
割り箸というのは体への安全性が低いからです。


今、日本での割り箸の使用量は年間約280億膳。
日本の割り箸の96%は中国産です。

割り箸はなぜ白いかというと漂白剤に漬けるからです。
それを乾かして防カビ剤を塗る。
中国産で危ないのは食品だけじゃないわけです。


その事実を知ったとき、私は愕然としました。
健康に悪い、環境に悪い割り箸をなくすべきじゃないか
という思いが芽生えました。

そこで3年前に立ち上げたのが
「MY−HASHIプロジェクト  これからはワらない
 もったいないキャンペーン」だったのです。


割り箸をやめさせるにはどうしたらいいか。。。
かわいい箸があればいいんじゃないかと考えた。

いろんな箸業者さんや、
箸ショップさんに行ってもかわいい箸がないのです。


七野大輔が箸をプロデュースしたらどんな商品が出来上がるか。。。
構想を練るのに1年かかりました。

日本の伝統色は465色ともいわれてますが、
その中の30色を厳選し、
その箸の中に日本の色の名前を入れたのです。

「金糸雀色」と書いて「カナリア色」と読んでみたり、
きれいな赤なのですが、
「天竺葵」(てんじくあおい)という色があったり、

自分のプロデュースする箸の中で日本の文化も発信
していきたいと思ったわけです。
そういうことを
メッセージとして若者に伝えていきたいと思ったのです。


伝統をまもりながらも、新しい発想で
「箸の1本バラ売り」にしました。

箸は、対でなくてもいい。
その日の気分で好きな色を選んでもらう。

中には
1本づつ、違う色で売ったらマズイんじゃないか
という人もいますが、そうではありません。

違う素材の箸を使うのは縁起が悪いのですが、
同じ素材であるならば問題ないのです。


また、
自分のやる文化的、社会的な商品には、
必ず寄付をつけたいと思っていました。

それも、よく巷にある
「この商品の一部を寄付に回します」みたいな?
一部っていくらだよ?みたいな?

そんなグレーな寄付はおかしい。と、
常日頃思っていたので、
「店頭販売価格の10%の寄付」にこだわりました。

これもひとつの話題作りでした。


4本入り専用ケースも作りました。
マイ箸を持つ人というのは、だいたい布のケースです。
ただ、
使ったあとの箸を布のケースに入れるのは
清潔面で抵抗がある。

そこで、
日本で始めて、4本入り専用ケースを作ったのです。


4本入っているというのには意味があります。
コンセプトは、「MY−HASHIからYOUR−HASHI」。

例えば、
誰かと一緒に食事をしたとします。
自分がMY−HASHIを持って、
一緒に食事をした人が割り箸だったら気持ち良くない。

そこで、
相手にも自分のMY−HASHIを使ってもらう。
使ってもらえると、MY−HASHIの話ができるわけです。

私はいつも8本持っていますので、4人で食事が楽しめます。
そして、これはMY−HASHIのPRにもなるわけです。


■■マイ箸の願いはエコへの気づき■■

2、3年前、私が飲食店でMY−HASHIを使うと
怪訝な顔をされましたが、
最近は、「割り箸はいりません」というと
「ありがとうございます」といわれるようになりました。

飲食店さんの意識が変わってきたなあと感じています。

お陰で2007年の10月にはGOOD DESIGN賞をいただきました。


箸を購入くださった方へメッセージカードをつけています。

その中で書いてある

「(中略)これをご縁に、
日本古来の言葉「もったいない」を思い出し、
環境にやさしい、環境にできるだけ負荷をかけない生活を
心がけていただけると幸いです」

というのが私の想いです。

MY−HASHIを使うことによって、
これってエコだよなという気づきを得てもらいたい。

シャンプーの使いすぎ、シャワーの出しっぱなし、
電気のつけっぱなし、ごはんの食べ残し。。。

そんな自分の生活シーンの中で、
ほんの少しだけも「もったいないな」と気づかせる。
シンボライズされたものがMY−HASHIだと思っています。


★平成20年 2月例会
2008/02/17

2008/01/18


★平成20年 2月例会

●日時 平成20年2月14日(木)
18:00 受付
18:30 講演会
20:00 懇親会
※くれぐれも時間厳守でお願い致します

●会場
  名古屋クレストンホテル9F宴会場
  TEL 052-264-8000

       ●テーマ 「ECOとPRとMY−HASHIと」

          映像 http://www.my-hashi.jp/index3.html
http://www.my-hashi.jp/index2.html

      ●講師  株式会社 ブレインネットワーク 
       代表取締役 七野 大輔 氏
     
●プロフィール

1979年 日本大学法学部卒業後(株)フォーバル入社
    OA機器販売&営業企画&広報宣伝に携わる

1987年 広告代理店 潟Iービスに入社
   大手上場会社の広報・宣伝・企画に携わり、
その間JAPAN POP I(ポパイ)賞
銀賞&審査員特別賞を受賞

1997年 (株)ブレインネットワークを設立
PR&広報を主とした新業態を確立

2006年 MY−HASHIプロジェクト、
    「MY−HASHI MY−HEART これからはワらない、
     もったいないキャンペーン」を立ち上げ、
     2007年10月に 、財団法人 日本産業デザイン振興会が
主催 【2007 GOOD DESIGN 賞】受賞

http://www.brainnetwork.co.jp/


●会費 メンバー 無料
    ※メンバーの代理参加は1名まで無料
(代理は社員さんと御家族のみ)
      
◇◇ ビジター歓迎 ◇◇
皆様のお知り合いの方をご紹介下さい
会費 ビジター 8,000円
メンバーの家族、又は社員(1名まで) 5,000円

平成20年 1月例会
2008/02/09

平成20年 1月例会
講師 縄文アソシエイツ株式会社 
代表取締役 古田 英明氏

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