.■2月例会 講演レポート | - 2010/3/04
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■■ 2月例会 講演レポート ■■ テーマ 「待ったなし、ユビキタスネット社会。 ■■■ モバイル活用で経営革新!」 ■■■■ 講師 株式会社サンコー ■■■■ 代表取締役 櫻山 貴文 氏 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 開催日 平成22年2月16日(火) 会場 ホテルオークラレストラン名古屋
■■ユビキタスネット社会到来■■
今、日本という国は、大変な問題を抱えています。 100年続く人口問題です。
総務省は5年に1度、国勢調査をしています。 ピークは2006年の1億3000万弱。 ここから100年すべり台をすべるような勢いで人口が減っていくのです。
2008年の時点で35歳は201万人、15歳は119万人です。 この数字から何がいえるのか?
35歳というのは、 そろそろ結婚しようと思う、 あるいは結婚をしていて子供が生まれる。
そこで車をちょっと大きいのにしようかとか、 所帯持ったのでマンションでも買おうかなと思ってお金を使う層です。
一番お金を稼ぎ、使っていく世代が、 20年後には6掛け以下になるということです。
これからしぼんでいくマーケットに対して、 企業は工夫していかないと生き残っていけないのです。
国もそういう時代に向けて準備をしてきました。
「e-Japan戦略」 日本にアメリカや韓国と同じような ブロードバンドをインフラとしてひいて、 2005年までに世界をリードするインターネット企業を育成しよう という政策です。
ただ、これは上手くいかなかった。 楽天という企業がありますが、 ここは日本のマーケットでトップになった会社です。
世界のインターネットを牛耳っているのは、 グーグル、小売ではamazon.comです。
その反省を踏まえて 総務省がu-Japan(ユビキタスジャパン)として、 「いつでもどこでも誰でもITの恩恵を実感できる社会の実現」 という政策が2006年からスタートしたのです。
今、ネットスーパーなどが携帯対応になってきたり、 シニアも孫とデコメールをやる時代になってきました。
インターネットというのはすでに、 パソコンでやるものではなく、携帯でやるものになってきた。
キーワードは 「一人1台以上」、「24時間」、「半径30cm以内(常に持っている)」です。
今は携帯があれば、目覚まし時計はいりません。 万歩計機能がついている携帯もある。 鉄道の改札も通過することができる。
名刺交換をすれば QRコードや写メールで携帯に保存することができる。 携帯配信のクーポンを使って、お店の予約もできる。 外から自宅のエアコンの設定をすることもできる。
こういうことが携帯では当たり前にできる時代になっています。
■■モバイルの活用がビジネスを変える■■
ユビキタスの技術を活用してガンガン儲けている会社、 これがマクドナルドです。
ひと昔前までマクドナルドは 新聞の折込チラシを入れていましたが、今はほとんど入りません。 必要なくなったのです。
今、マクドナルドのメール会員は1400万人を突破しています。 これを全国に折込チラシをまきますと、 億単位のお金がかかってしまいます。
今では、「見せる」クーポンから、 「かざす」クーポンに変わってきています。
お客さまがレジに並ぶ前に、 あらかじめ購入したい商品を携帯上で操作をするのです。 そして、レジで携帯をかざすことで、即、オーダーが飛ぶようになっている。
混雑する昼時で「見せるクーポン」の場合だと、 そこで1分、2分、やりとりの時間がかかってしまう。 それもないと、 オーダーをとるのに3分、4分かかってしまうわけです。
それを数秒で終わらせることで、 昼時の回転率を上げることができるわけです。
マクドナルドが折込チラシをやめてしまった 大きな理由はもうひとつあります。
今、30代以下で、新聞をとっている人は少数派です。 若い世代は新聞を読まない。 若い世代に来て欲しいマクドナルドにとって 折込広告をする価値が全くないわけです。
これからは、 何も考えずにチラシを折込むだけでは お金の無駄になってしまいます。
「いかに常連客を増やすか」というのは、 商売の基本です。
ただ、これまでは、 大切にしないといけない常連客にあまりお金を使ってこなかった。 広告は、一見さんに使ってきたのです。
もちろん、 今までやってきたことを全てやめましょう ということではありません。
広告費の棚卸しをしていただいて、 常連さんをしっかり囲い込むためにメールマーケティングを やっていく。
例えば、一人親方の居酒屋さんがあったとします。 そこにはバイトが一人。 あるとき、一日中雨で、夕方6時になってもお客さんがこない。 今までの手法であれば、 バイトに生ビール券を持たせて 駅で呼び込みをさせることくらいしかできませんでした。
ところが、 そこの大将がコツコツとメール会員を300人持っていたとしたら、 今日はメール会員限定の雨の日サービスで、 「1杯生ビール無料」というメールを送ることができる。
300人いれば1人くらいは、関心を持ってくれるかもしれない。 その人が友だちを誘って来てくれたなら 4人くらいの売上げが確保できるわけです。
それが3組、4組となれば、 メール会員だけでその日は一杯にすることだってできるわけです。 それにかかるコストは、ゼロです。
今まではクーポン券も何でも、 誰かに頼まなければ、きれいなものができなかったのが メールであれば、画像付メールが簡単に作れる。
その日に仕入れた商品情報をタイムリーに発信できる。 訴求効果がたいへん高いのです。
携帯インターネット時代の後押しをしているのが、 「料金の安さ」「高速化」「インターネットマシン化」です。
パケット定額制が5割以上に普及しました。 今の高校生は月に20万円分くらい使うのが当たり前ですが、 たった4000円で済む。
動画であっても、今の携帯であれば簡単に観ることができる。 パソコンにはないGPS検索ができる。 2010年以降はさらに拡大していくと思われます。
いつでもどこでも見てもらえる 必ずメールは見てもらえる 携帯メールは2時間以内の開封率が95%
紙媒体とくらべてコストが安い 圧倒的なレスポンスの良さ
これが携帯の優位性です
これからのユビキタスネット社会に向けて、 ぜひモバイルを活用していただきたいと思います。
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