レポート・歴史

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■平成27年2月17日火曜日
2015/03/05

■平成27年2月17日火曜日 18:30より 

◇◇テーマ   「クールジャパンと医療で切り開く名古屋の未来」  
         
◇◇プロフィール 

講師:東京大学大学院医学系研究科国際保健政策教室 教授

一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ(JIGH)代表理事 渋谷健司氏

http://jigh.org/about/ 

名古屋大学大学院経済研究科 佐藤宣之教授との対談形式を予定


東京大学医学部医学科卒、同年に医師免許取得後、帝京大学付属市原病院麻酔科医員(研修医)
として勤務。1993年、東京大学医学部付属病院医師(産婦人科)を経て、ハーバード大学リサーチ・フェロー。
1999年に同大学より公衆衛生学博士号取得。同年、帝京大学医学部産婦人科 助手、2000年衛生学公衆衛生学講師。

2001年に世界保健機関(WHO)シニア・サイエンティスト(保健政策のエビデンスのための世界プログラム)就任。
2004年にWHOコーディネーター(評価・保健情報システム/保健統計・エビデンス)を経て、現職。
専門分野は死亡・死因分析、疾病の負担分析、リスクファクター分析、費用効果分析、保健システムパフォーマンス分析、保健外交など。


現在、Global Burden of Disease 2010研究コアメンバー、GBD科学評議会、WHO保健統計専門家委員やランセット特別号の組織委員を務める。


日時 平成27年2月17日(火) 講演 18:30
       18:00 受付   18:30 講演   20:00 懇親会   
       ※くれぐれも時間厳守でお願い致します
    
会場 料亭つたも tsutamo.com/ 中区栄3丁目9−27  052-241-3666

■平成27年2月17日火曜日
2015/03/05

■平成27年2月17日火曜日 18:30より 

◇◇テーマ   「クールジャパンと医療で切り開く名古屋の未来」  
         
◇◇プロフィール 

講師:東京大学大学院医学系研究科国際保健政策教室 教授

一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ(JIGH)代表理事 渋谷健司氏

http://jigh.org/about/ 

名古屋大学大学院経済研究科 佐藤宣之教授との対談形式を予定



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http://www.soec.nagoya-u.ac.jp/erc/pru/index.html




中部からクールジャパン発信のための
アクションプラン


〜輝ける中部・名古屋を目指して〜


平成27年7月1日

中部からクールジャパン発信委員会
1


1 はじめに

中部からクールジャパン発信委員会(以下、「発信委員会」)は、最近のクールジャパンを巡る動きを踏まえ、わが国の重要な産業拠点である中部でもクールジャパンの認知度を高め、中部の特色を生かしたクールジャパンの推進方策を提言することを目的として、有志のイニシアティブで発足させた。
本提言書は、中部からクールジャパン発信に際して押さえるべき国内外の動向、課題を整理した上で、アクションプランをまとめたものである。
発信委員会は組織のバックアップを背景としないので本提言書は強制力を持つものではなく、また限られたメンバー、時間での作業ゆえに考え得るすべての論点を網羅していない可能性が少なくない。
その反面、発信委員会ではメンバー同士の自由な議論が保障され、また開かれた運営を心掛けたためメンバー以外の様々な関係者の声も反映することができたのではないだろうか。
転勤族には見えにくい点、逆に地元族には当たり前すぎて見落としがちな点をできる限り盛り込んだ本提言書が、中部からクールジャパン発信に貢献するにとどまらず、転勤族にも地元族にも役に立つ「中部の手引」となれば存外の喜びである。
2 クールジャパンを巡る動き
「クールジャパン」はゲーム・漫画等のポップカルチャーから、自動車・電気機器などの日本製品、更には食文化・ファッションと、日本に優位性が認められそうな様々な事物について語られる。
クールジャパン=ポップカルチャーと決めつけて、ポップカルチャーで日本企業は言われるほどに儲かっていないからクールジャパンは失敗、と断じる論調もある。
実は現政権の発足直後から、クールジャパンの対象・方向性は定められ、25年1月、日
2
本経済再生本部長(内閣総理大臣)よりクールジャパン戦略担当大臣に対して「関係大臣と協力して、日本のコンテンツやファッション、文化・伝統の強みを産業化し、それを国際展開するための官民連携による推進方策及び発信力の強化について検討すること。特に日本食を世界に広め、日本食材の海外展開を進めることを検討すること。」を指示している。
早速25年5月、クールジャパン戦略担当大臣主宰のクールジャパン推進会議は取りまとめ文書の中で「クールジャパンの発信に当たっては、相手国の文化等を理解した上で、食、日本産酒類、ファッション、ものづくり、コンテンツ等の連携の可能性を検討し、経済的効果に文化的価値を加えたトータルコーディネートも含めた日本ブランドの効果的発信を模索する。」と指摘した。
これらを見る限り、ポップカルチャーがクールジャパンの全てではなく、また日本の食、酒を強く意識していることが窺われる。
さらに、25年11月には官民双方の出資により、クールジャパン分野への民間投資の呼び水として出資等の資金供給を行うクールジャパン機構も始動した。
3 クールジャパンが日本に問いかけるもの
クールジャパンは最近専ら成長戦略等経済の文脈で語られることが多く、そのことは誤りでも不適切でもないが、クールジャパンを巡る議論が本質から外れることのない様、クールジャパンの本来の意義を確認しておきたい。
26年8月、クールジャパン推進会議は「クールジャパン提言」の中で以下の指摘をした。
@ クールジャパンに関する本会議でのディスカッションを通して見えてきたのは、「日本ってクールだろう」と一方的に発信することよりも「日本はあなたの役に立つアイデアを持っている」と相手を慮りながら発信することに、むしろ私たちは可能性を感じていることであった。そのような議論を重ねるなかで「世界の課題をクリエイティブに解決する日本」が、クールジャパンのミッションとして浮かび上がってきた。
A 日本は高度経済成長期を経て、資本主義社会において成功を得た一方で、その副作用としての新たな社会課題が頻発している。超高齢化社会やコミュニティの喪失、環境・エネルギー問題など、世界中の国がこれから経験すると言われている課題が現在の日本に降りかかっている。今後、人口爆発が予想され、エネルギーや食料、地球環境にますます大きな負荷がかかる恐れがある。そのような中で、世界に先駆
3
けて日本が経験している課題はやがて世界各国にも訪れるだろう。この状況を、逆に日本の未来の勝機に転換できないだろうか。
B 日本はこれまで、世界の様々な文化を受け入れ、島国の中で独自にそれを進化させ、世界に新しいアイデアを発信しつづけてきたイノベーションの国である。世界における日本の価値を示すことは、日本が世界に発信する本質的なパブリックイメージとなる。課題先進国としての課題解決力と日本のクリエイティブ産業がこのミッションに結びつき、世界に役立つ様々なイノベーションが生まれることで、未来の日本のクリエイティビティが加速されることだろう。
この提言によれば、クールジャパンのいわば本質は「世界の課題をクリエイティブに解決する日本」を実現・深化させることであって、その上に立って経済的波及効果を含め様々な波及効果を創出することが求められる。
経済的波及効果の創出メカニズムについては、経済産業省、クールジャパン機構等の文書によれば、政府の後押しによって、第1ステップとして「日本ブーム創出:日本の魅力の効果的発信」、第2ステップとして「現地で稼ぐ:現地で稼ぐためのプラットフォーム構築」そして最終の第3ステップとして「日本で消費:日本にインバウンドを呼び込み大きく消費を促す」のサイクルを目指す、とされた。
4 クールジャパン機構の投資から見るヒント
クールジャパン機構は、「プラットフォーム」(拠点)づくりや「サプライチェーン」(流通網)の整備等とともに「地域企業」の支援を3つの柱として、地域を明確な支援の軸に位置付け、これまで投資を進めてきた。
以下、具体的に3つの事業類型を紹介すると共に、事業類型ごとに中部へのヒントを記すこととしたい。
(その1)地域の強みを前面に出して、事業を成し遂げる〜フロントランナーによる海外挑戦〜
オンリーワンの技術やノウハウなどの強みを持つ地域企業が、率先してリスクをとり海外需要の開拓に取組むモデル。力の源HDの事業では、ラーメンダイニング「博多一風堂」の欧米豪の展開を支援、店内では数多くの地域発の日本酒や焼酎等の販売を行う。
(中部へのヒント)
中部地方には、陶磁器、繊維関連、食品関連など様々な分野で海外展開に意欲的なオンリーワン企業がたくさんあり、そういった強みを持った企業を中核に据えた事業モデルを構築して、中部企業の海外展開を推進できないか。
4
(その2)一社では難しくても、まとまって事業を成し遂げる〜地域コンソーシアムによる海外挑戦〜
単独では海外進出が難しい地域企業が、地域内でまとまって海外展開を目指すモデル。「日本茶カフェ」事業では、米国で日本茶ビジネスの実績がある企業と長崎県企業が地域コンソーシアムを構築し、米国で日本茶カフェを多店舗展開する。現地のカフェでは、カステラなど長崎県の銘菓や茶器等を提供・販売していく。
(中部へのヒント)
中部地方の志の高い企業が集まれば、新たな事業を構築できる強いパワーに繋がる。中部の食・酒・ものづくり産業などによる観光連携など、中部企業のコンソーシアムによる連携強化で海外展開を目指すアプローチができないか。
(その3)クールジャパン機構のプラットフォームを活用して、事業を成し遂げる〜プラットフォーム活用による海外挑戦〜
クールジャパン機構が整備する販売プラットフォームを活用して海外進出するモデル。全館クールジャパン仕様に刷新するマレーシア/クアラルンプールのジャパンモールや日系百貨店で世界最大級の規模になる中国/寧波のジャパンモールへの地域企業の出店支援や、世界22か国で展開を目指すジャパンチャンネルを通じて、地域企業の商品サービスをPRしていく。
(中部へのヒント)
中部企業にとって、プラットフォームを活用することで海外展開のリスクを軽減し、海外への本格展開のトライアルの場として活用ができるのではないか。
<地域中小・中堅企業の海外展開を支援する投資例>
事業類型
(事業内容)
実施企業/
対象国
出資規模
(総事業費)
事業概要
1.フロントランナー支援型
(外食産業・日本食材の海外展
開基盤)
力の源HD(博多一風堂)/
欧米豪
7億円
※他に融資枠
13億円
ラーメンダイニング形式の店舗展開を通じ、日本酒等の日本食品の販売網を構築
2.地域コンソーシアム構築型
(日本茶カフェによる九州産
品の海外展開)
長崎県企業群/
米国
約2.6億円
(5.2億円)
米国で日本茶カフェを展開し、長崎県などの地域産品の販売網を構築
3.プラットフォーム活用型
(ジャパンモール)
ICJ Department Store/
マレーシア
約9.7億円
(20億円)
ASEAN初の全館クールジャパン仕様に改装し、日本の最先端を発信
寧波阪急商業有限公司/
中国(寧波市)
約110億円
(510億円)
中国アッパーミドル層向け、過去最大級の先駆的百貨店モデルを構築
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クールジャパン機構としては今後、地方創生の観点からも、地域の中堅・中小企業の海外展開支援をさらに強化していくこととしており、3つの事業類型をヒントに、中部発のユニークな取組みが多数展開されることを期待している。
5 クールジャパンが中部に問いかけるもの
中部北陸9県ではここ数年、官民関係者が協働して中部北陸圏の知名度向上を図り、海外からのインバウンドを推進するため、「昇龍道プロジェクト」に取り組んでいる。
クールジャパンの経済的波及効果においてもインバウンドの増大が最終目標とされており、目指す場所は「昇龍道プロジェクト」と同じと結論付けても過言ではない。
このように「昇龍道プロジェクト」とクールジャパンには高い親和性が想定されるにもかかわらず、定量的データの裏付けは無くあくまでも肌感覚ではあるが、中部でクールジャパンの認知度が低いと見られるのはなぜだろうか。
これに関しては、発信委員会の中で次の指摘があった。
@ 中部の現状を見ると、名古屋という地名は知られているだろうが、京都、金沢などと比較して地域ブランドはそれほど高くないと言わざるをえない。例えば、名古屋には日本はおろか世界に冠たる和菓子、茶席文化の伝統が継承されているにもかかわらず、名古屋、中部以外で知るものはどれだけいるだろうか。
A 中部は日本を代表する工業地域であるがゆえに、敢えて中部ブランドを押し出すこと無く、日本ブランドとして発信してきたのではないか。日本全体として日本ブランドの工業製品の輸出を軸としていた時代には中部ブランドは不要だったのだろうが、それゆえに中部へのインバウンド増大への足掛かりを欠いている。
B 「中部からクールジャパン発信」とは、日本ブランドの代表選手である中部が、今度は中部ブランドの創設という新しいミッションに取り組むということだと捉えるべきなのではないだろうか。
「中部からクールジャパン発信」、或いは中部ブランドの創設は、ゼロからの出発の様相すら呈しており、時間も手間もかかるだろう反面、手垢が付いていないとの意味ではしがらみのない創造的な作業が期待されるとも言えるだろう。
なお創造的な作業においては、セレンディピティ(何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能)を駆使してクールジャパンの
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種を探すことが欠かせないので、教育段階で若い世代からセレンディピティを追求するスキルとマインドセットを育むことは大変に重要になってくると思われる。
また、十数年後の開業が予定されるリニアが名古屋、中部に及ぼす影響に関して、発信委員会の中で次の指摘もあった。
@ 海外の富裕層は、高額でも付加価値の高いもの、レアなものを求めている。ナゴヤめしは安くて手軽でユニークさもあり今は話題を集めているが、今後、海外の富裕者層を意識した展開を図るなど、付加価値を高める工夫をしながら、他地域との差別化を図らないと、競争力を失っていく可能性がある。
A 東京も外国人観光客について危機意識を持っており、集客のための取組みをしている。リニアができた際に、今のままの名古屋では人を吸収するのは厳しい。
B 愛知県の酒の生産量は都道府県別で5位前後(江戸時代にはトップクラス)で、ツールになり得るが、競争力が弱いため、差別化をはかる必要。
C コスプレ、ご当地アイドル、おもてなし武将隊(三英傑)などのツールも使い方次第。価値の高いものをもっと宣伝するようにしないといけない。
そこで改めて中部の魅力を考えてみると、自動車産業、航空宇宙産業、ノーベル賞受賞者を多く輩出する大学、戦国期の三英傑、セトモノと呼ばれる陶磁器、繊維産業、八丁味噌を代表とする豆味噌文化、お茶、茶菓子、名古屋めし、食材、日本酒等々、素材の種類だけは不足はないように思えるが、むしろ豊富過ぎて一度にやると総花的になり確固たるブランドを形成できない恐れすらあることに気をつけたい。
6 クールジャパンが伝統産業に問いかけるもの
次に、政府のクールジャパン戦略でも重要アイテムとなっている食文化の一例として、酒を取り上げることとする。
政府による國酒(=日本酒、焼酎、泡盛)の産業振興は3年前に開始したいわゆる「國酒プロジェクト」に端を発しているので、そこで示された基本的考え方を紹介したい。
@ 日本の酒造りは、米、水等の日本を代表する産物を使うのみならず、日本の気候風土、日本人の忍耐強さ・丁寧さ・繊細さを象徴し、いわば「日本らしさの結晶」。
A 東日本大震災の被災地を含む日本全土に及ぶ日本酒・焼酎の蔵元は昔から地域の活力を担うキーパーソンであり、地域活性化の観点から、また外国人観光客にとっても魅力的な観光名所として、潜在的な「地域発・日本再生の救世主」。
B 従来は高品質の日本酒・焼酎と疎遠だった韓国、フランス、インド等でも、近年は
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日本酒・焼酎をPRするイベントが開かれ、また他国料理と日本酒・焼酎との相性の良さも認識されつつあり、日本酒・焼酎は「21 世紀の異文化との架け橋」。
「國酒プロジェクト」の文面にはクールジャパンの文字は無いものの、日本酒・焼酎を「21 世紀の異文化との架け橋」として海外から日本への共感創出を目指す点で、現在のクールジャパン戦略そのものと言っても良いだろう。
そこで、海外から日本への共感創出を前提として経済的波及効果を考えるに際して、日本酒産業の現状を見ると、人口減少に加え、ワイン、ビール等の嗜好の増大も相まって最近40年間ほぼ一貫して生産が減少している。
日本酒産業の長期的生き残りのためにはグローバルマーケットも視野に入れる必要のあることは必定で、「國酒プロジェクト」も同様の問題意識を持って政府としての後押しを進めることとした。
最近海外での和食ブームにつられる形でも日本酒への関心も高まっているが、日本酒の持続的な海外展開には以下のような課題が想定されるため、腰を落ち着けた対応が欠かせないことが窺われる。
@ 日本酒は国際的に見て高価な国産米を使い、麹製造など複雑な作業を工程に含むため、ワイン等に比べて原価が非常に高い。従って、高価格を許容する高所得者を多く抱える国が輸出相手として有利。
A 高所得者の中でも金融、エンジニア、弁護士等新しいものに無抵抗な高所得者がターゲットとして望まれるので、酔うための液体としてではなく日本酒自体が高級ブランド化しなければ海外展開は難しい。
B そのためには総花的に世界各地に輸出努力をするのではなく、ブランド発信基地としてショールーム効果を有する地域(フランス、イギリス、アメリカ、特にパリ、ニューヨーク)、経済発展が著しく販売努力の成果が得やすい地域(中国、香港、台湾等)に注力すべき。
日本酒に関して中部、特に名古屋に特有の課題として、日常の公私の生活へのクルマの浸透が酒消費の足かせとなりかねないことが指摘されるが、中部ブランドの強化の観点から、これを逆手にとって酒とクルマとで何らかのコラボレーションを図れないかを検討してはどうか。
最後に、日本酒の海外展開の取り組みが伝統産業一般へ与える示唆として、以下の諸点に留意する必要があろう。
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@ 地域性、伝統等の「日本らしさ」を徹底的に打ち出す。
A 単に「美味しい」「美しい」等では不十分で、とてつもなく「美味しい」「美しい」等を目指すことで有意に差別化を図り高付加価値を実現できる。
B 海外展開に際しては、有望市場としてのアジアに進出する前に或いは同時に、ブランド価値確立のために欧州での認知度確保に腐心する。
地域の伝統産業の競争力強化に軸足を置くクールジャパン戦略は、日本版ミッテルシュタント(高付加価値商品・サービスを武器に国際展開するドイツの中小企業)の展開を促す政策とも言えるかもしれない。
7 アクションプラン
中部が目指すべき方向性として、以下のアクションプランを提言したい。
(アクションプラン1)
クールジャパンの認知度向上と中部からクールジャパン発信のため、国内外で説明、講演、学界発表、シンポジウム、国内外メディア等ありとあらゆる機会を活用する。特に9月8日(9はクールを、また8は発信を象徴)を「中部からクールジャパン発信の日」(仮称)と定めて、認知度向上のためのイベントを実施すると共に、全国的に9月8日がクールジャパン発信の日として普及することを目指す。
(アクションプラン2)
中部の官公庁、経済団体にクールジャパン担当部署を設けると共に、地域のクールな事象を(再)発見する仕組みとして、各県市町村に産学官関係者で構成するクールジャパン連絡協議会(仮称)を設けて「昇龍道プロジェクト」と連携して活動する。こうした活動については、地方創生担当大臣の指示に基づき各県市町村で今後作成することとなっている「地方版総合戦略」に組み込む。
(アクションプラン3)
分野を絞りつつも、複数ブランド分野、複数業態のコラボレーションによる効果的発信に留意して、「新中部様式」(仮称)、「中部からクールジャパン発信ブランド」(仮称)等のネーミングも設けると共に、セントレアなど外国人訪問客のゲートウェイを斬新な方法で活用して、中部の魅力を発信していく。
(アクションプラン4)
大学等高等教育機関、教育行政関係者、経済団体等が連携してセレンディピティ教育を強化する。前掲の「中部からクールジャパン発信の日」(仮称)の行事実施に際して
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は、教育関係者向けの認知度向上活動にも留意する。
8 「隗より始める」発信委員会メンバーのミッション
各委員に具体的なミッションを定めることとし、各委員がミッションを遂行するに際しては、本提言書の内容はもとより、本提言書の完成直前に政府より発表された「クールジャパン戦略官民協働イニシアティブ」(平成27年6月)で示された「クールジャパン戦略の深化に向けた5つの視点」(別紙3)を十分に踏まえることにより、意識的・無意識的な先例踏襲、固定観念に起因するような処理に陥らないように心がける。
伊藤委員
小糸委員の協力を得て、アクションプラン1(特に国内)、アクションプラン2を主導する。
宇澤委員
アクションプラン4を主導する。
小栗委員
全アクションプランに関して、オグリズムブランドを最大限活用する。
小糸委員
伊藤委員と共に、アクションプラン1(特に国内)、アクションプラン2に取り組む。
佐藤座長
全アクションプランの進行管理と共に、アクションプラン1(特に欧州を中心とした国外)を主導する。
清水委員
土方委員、小栗委員と協働して、アクションプラン3に取り組む。
土方委員
清水委員、小栗委員と協働して、アクションプラン3に取り組む。
家森委員
学界を中心として、アクションプラン1、アクションプラン2に取り組む。
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9 おわりに
関東、近畿といった複数の都道府県からなるエリアを見ると、当該エリアの当事者になるほど、「一口に○○地方と言っても●●県と▲▲県とは全然気質が違う。」といった種の発言を耳にし易い一方、当該エリア外のよそ者から見ると、かえってエリア内に共通の特徴が見出されることもある。
中部、東海における共通の特徴とは、ずばり「モノづくり」ではないだろうか、その反面、歴史・文化をストーリー化するような「コトづくり」は必ずしも得意とはしてこなかった。
もう一つの中部、東海の共通の特徴として、中部の中でも特に名古屋の人的ネットワークの強さは東京等と比べて目を見張るものがあり、団結力としての強みを有している半面、閉鎖性、現状肯定等の弱みも内在していることに留意する必要がある。
地元愛は決して悪ではないが、「名古屋は住みやすくて良いでしょ?」との名古屋特有の部外者への問いかけは、事実関係は措くとして、「いいえ。」との回答をし難い意味において自由な言動を許さず、流石に行き過ぎではないか。
モノづくりを中核に主要産業地域を抱える中部、特に名古屋にあっては、地域の繁栄にとどまらず日本全体の繁栄を担っているのであり、一都市・地方として存在することは許されず、いわば「中核都市責任」を担う立場にあるとも言えよう。
来年開催予定の「伊勢志摩サミット」は、申すまでもなく、中部の重要イベントであり、中部全体で連携して中部の魅力を強力に打ち出し、以て日本全体としての魅力をアピールするまたとない機会である。
例えば、第一に新たな試みとして、伊勢湾の海の幸、松阪牛、飛騨牛に代表されるご当地プレミアムビーフ、岐阜県に点在する温泉保養地、中部最大の空港セントレア、大商業都市名古屋を斬新な発想も取り込んで上手く連携させる一方、第二に伝統の強みを生かす試みとして、「モノづくり」を体験できる場所の認定も急いではどうか。
国内の他のどこよりも率先してクールジャパンを発信し、輝ける日本の未来を担う中部であり続けることを、発信委員会は願ってやまない。
(以上)
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(別紙1)発信委員会発足にかかるプレスリリース
平成26年8月6日
「中部からクールジャパン発信委員会」を立ち上げます
現政権は発足早々、産業競争力会議の議論を踏まえた喫緊の重要政策課題として、「規制改革の推進」、「イノベーション/IT政策の立て直し」、「経済連携の推進」、「責任あるエネルギー政策の構築」、「地球温暖化対策の見直し」、「産業の新陳代謝の円滑化」、「若者・女性の活躍推進」、「攻めの農業政策の推進」、「資源確保・インフラ輸出戦略の推進」と並んで、「クールジャパンの推進」を掲げました。
「クールジャパンの推進」に関してより具体的には、日本のコンテンツやファッション、文化・伝統の強みを産業化し、それを国際展開するための官民連携による推進方策及び発信力の強化について検討すること、特に日本食を世界に広め、日本食材の海外展開を進めることを検討することを明らかにしています。
昨年11月には、官民双方の出資により、クールジャパン分野への民間投資の呼び水として出資等の資金供給を行う株式会社海外需要開拓支援機構(「クールジャパン機構」)も始動しました。
この度、わが国の重要な産業拠点である中部でもクールジャパンの認知度を高め、中部の特色を生かしたクールジャパンの推進方策を提言することを目的として、有識者で構成する「中部からクールジャパン発信委員会」を立ち上げることとします。
メンバー(アイウエオ順):
伊藤 範久 中部経済連合会専務理事
宇澤 達 名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授
小栗 成男 ネッツトヨタ名古屋株式会社・株式会社トヨタレンタリース名古屋代表取締役社長
小糸 正樹 クールジャパン機構専務執行役員
佐藤 宣之 名古屋大学大学院経済学研究科教授(座長)
清水慎一郎 「鈴鹿川」「作」醸造元・清水清三郎商店代表取締役
土方 邦裕 「バーミキュラ」製造元・愛知ドビー株式会社代表取締役社長
家森 信善 神戸大学経済経営研究所教授
今後月1回程度のペースで会合し(第1回会合:9月19日)、来年春ないし初夏に取りまとめを行います。HP.永津彰人
本件問い合わせ先:名古屋大学・佐藤宣之sato@soec.nagoya-u.ac.jp
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(別紙2)発信委員会メンバー、開催実績
発信委員会メンバー(アイウエオ順):
伊藤 範久 中部経済連合会専務理事
宇澤 達 名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授
小栗 成男 ネッツトヨタ名古屋株式会社・株式会社トヨタレンタリース名古屋代表取締役社長
小糸 正樹 クールジャパン機構専務執行役員
佐藤 宣之 名古屋大学大学院経済学研究科教授(〜平成27年7月)、チャタムハウス(英国王立国際問題研究所)客員研究員(同年8月〜)(座長)
清水慎一郎 「鈴鹿川」「作」醸造元・清水清三郎商店代表取締役
土方 邦裕 「バーミキュラ」製造元・愛知ドビー株式会社代表取締役社長
家森 信善 神戸大学経済経営研究所教授
開催実績(開催場所は中部経済連合会会議室):
平成26年 9月19日 第1回会合
10月22日 第2回会合
12月19日 第3回会合
平成27年 1月26日 第4回会合
2月26日 第5回会合
3月26日 第6回会合
4月23日 第7回会合
5月28日 第8回会合
7月1日 第9回会合
発信委員会、本提言書に関する問い合わせ:
佐藤宣之(座長)
sato@soec.nagoya-u.ac.jp(〜平成27年7月)
nsato@chathamhouse.org(同年8月〜)
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(別紙3)「クールジャパン戦略官民協働イニシアティブ」(平成27年6月)で示された「クールジャパン戦略の深化に向けた5つの視点」
(1)「デザイン視点」で横串を刺す
・ クールジャパンに関する取組は、コンテンツ、食、ファッションなどクールジャパンの分野ごとに、また、情報発信、海外展開、インバウンド振興の段階ごとに、多岐にわたっている。また、そのプレイヤーは、政府・民間を問わず多様な人や組織から構成されている。
・ それらの取組を「クールジャパン」のコンセプトの下で横串を刺し、日本の魅力を演出するために、有機的に組み合わせていくことが重要である。また、その際には、情報発信、商品・サービス提供、体験など、顧客との全ての接点を「デザイン視点」(※)で設計・編集し魅力を高めることが重要である。
(※)ここで言うデザインは、意匠を意味する狭義のデザインではなく、顧客の目線から商品・サービス等の「機能価値」(品質や性能など)と「感性価値」(意匠や質感など)を統合的に設計し、両者を高い水準でバランスさせる広義のデザインを意味する。例えば、個々の商品・サービスのプロデュース、インバウンド観光体験の設計の際に、顧客の顕在・潜在ニーズから出発して、それらを効果的かつ洗練されたものとしていくこと。
(2)政策・事業を連携させる
・ クールジャパンに関する各種取組を多様なプレイヤーが行っている中、相互に連携させようとする試みも始まっているが、官と民、あるいは業種間の連携は未だ十分でなく、単発の取組にとどまっていることは否めない。
・ したがって、クールジャパンに関する政府及び民間の活動を俯瞰し、我が国として効果的な取組となるよう、政府の政策や民間の事業活動について、分野の垣根を越えて相互に連携させることが重要である。また、情報発信、海外展開及びインバウンド振興の各段階において行われている取組を相互に連携させ、一連の流れとしてつなげることも重要である。
(3)「人材ハブ」を構築する
・ クールジャパン戦略を遂行するための鍵は人材である。世界に通用する日本の魅力の創出・発信を効果的に行うためには、クールジャパン関連分野の人材を世界中から日本に引きつけて、これらの人材が持つ創造性を集積させ、更に高度化し、世界に向けて発信するためのハブを構築することが重要である。こうしたハブが一旦形成されれば、それが更に人材を引きつけ、日本の魅力の向上につながるという好循環を実現することが可能となる。
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(4)外国人の視点を取り入れる
・ 海外には、日本のコンテンツ、食、ファッション等が大好きな「日本ファン」が数多く存在する。彼らは、クールジャパンを海外で更に広めていく上でのパートナーとなり得る存在である。また、こうした「日本の魅力」は、海外の人たちが「クール」として受容したものであるが、日本人がそう感じていない場合も往々にしてある。逆に、日本人が「日本の魅力」と思うものをそのまま海外に出しても、価値観の押しつけになって海外で受容されない場合があり得ることも注意しなければならない。
・ こうした観点から、クールジャパンを海外に向けて発信・展開する際には、日本ファンの外国人や影響力のある外国人と協働することが効果的である。また、「日本の魅力」を海外の人により幅広く「クール」と受容してもらえるよう、そうした外国人の目線で再編集していくことも重要である。
(5)地方の魅力をプロデュースする
・ 地方には、各地域で育まれてきた郷土料理や日本酒、伝統的工芸品をはじめとして、クールジャパン資源としての潜在力があるものが数多く存在するが、埋没したまま活用されないものもある。また、これらの資源が発掘・活用されたとしても、地域ごとにバラバラに海外展開され、日本全体としての魅力向上につながっていない場合も見受けられる。
・ そのため、地域に眠るクールジャパン資源を発掘し、それを集積・編集して新たな価値を付与する(キュレーション)ことを通じて、海外で受け入れられるような「商品」になるようプロデュースしていくことが必要である。その際には、個々の地域資源を、日本全体の魅力として海外に訴求できるよう、全体的な視点でプロデュースすることが重要である。
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(別紙4)本提言書の要旨
「中部からクールジャパン発信のためのアクションプラン」
8項目のハイライト
@ 転勤族には見えにくい点、逆に地元族には当たり前すぎて見落としがちな点をできる限り盛り込んだ本提言書が、中部からクールジャパン発信に貢献するにとどまらず、転勤族にも地元族にも役に立つ「中部の手引」となれば存外の喜びである。
A ポップカルチャーがクールジャパンの全てではなく、また日本の食、酒を強く意識していることが窺われる。
B クールジャパンのいわば本質は「世界の課題をクリエイティブに解決する日本」を実現・深化させることであって、その上に立って経済的波及効果を含め様々な波及効果を創出することが求められる。
C クールジャパン機構としては今後、地方創生の観点からも、地域の中堅・中小企業の海外展開支援をさらに強化していくこととしており、3つの事業類型(フロントランナー支援型、地域コンソーシアム構築型、プラットフォーム活用型)をヒントに、中部発のユニークな取組みが多数展開されることを期待している。
D クールジャパンの経済的波及効果においてもインバウンドの増大が最終目標とされており、目指す場所は「昇龍道プロジェクト」と同じと結論付けても過言ではない。
E 日本酒に関して中部、特に名古屋に特有の課題として、日常の公私の生活へのクルマの浸透が酒消費の足かせとなりかねないことが指摘されるが、中部ブランドの強化の観点から、これを逆手にとって酒とクルマとで何らかのコラボレーションを図れないかを検討してはどうか。
F 9月8日(9はクールを、また8は発信を象徴)を「中部からクールジャパン発信の日」(仮称)と定めて、認知度向上のためのイベントを実施する。
G モノづくりを中核に主要産業地域を抱える中部、特に名古屋にあっては、地域の繁栄にとどまらず日本全体の繁栄を担っているのであり、一都市・地方として存在することは許されず、いわば「中核都市責任」を担う立場にあるとも言えよう。

■平成27年1月14日水曜日
2015/03/05

2015/01/22


■平成27年1月14日水曜日 18:30

テーマ:「リニア時代の名古屋のまちづくり」

講師: 名古屋市住宅都市局長 黒田 昌義氏 

会場: 札幌かに本家栄中央店



1966生まれ。一橋大学経済学部卒業、旧建設省に入省。
OECD(経済協力開発機構)地域開発部都市政策課(パリ)
国土庁土地局地価調査課課長補佐、奈良県土木部都市計画課長、
国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課まちづくり企画調整官、
大臣官房総務課国会連絡調整官、住宅局総務課企画官、大臣官房広報課広報企画官
内閣官房国家戦略室企画官、内閣官房副長官秘書官兼内閣参事官、

国土交通省道路局総務課高速道路経営管理室長、

本年4月より現職。一橋大学公共政策大学院非常勤講師

■平成27年1月14日水曜日 18:30
2015/01/22

■平成27年1月14日水曜日 18:30

テーマ:「リニア時代の名古屋のまちづくり」

講師: 名古屋市住宅都市局長 黒田 昌義氏 

会場: 札幌かに本家栄中央店







■平成27年1月14日水曜日 18:30
2015/01/22

■平成27年1月14日水曜日 18:30

テーマ:「リニア時代の名古屋のまちづくり」

講師: 名古屋市住宅都市局長 黒田 昌義氏 

会場: 札幌かに本家栄中央店



■12月22日 (月) 毎年恒例 蔦茂での忘年会
2015/01/05

■12月22日 (月) 毎年恒例 蔦茂での忘年会
        

 尾陽木偶師・九代玉屋庄兵衛さん:

からくり実演「茶運人形」「弓曳童子」
  http://karakuri-tamaya.jp/
     
18:30よりパーフォーマンス 

19:15懇親会
     
  ■会場 料亭 蔦茂(つたも)


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2015/01/05

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■平成26年11月例会 
2014/11/17

■平成26年11月例会 

●11月7日(金) 講演 18:30
       

●講師  河内孝氏 元毎日新聞社 常務  
       
慶應大学マスメディア・コミュニケーション研究所講師
      
●テーマ 「対日戦勝70周年で対日、中韓露包囲網目指す習近平の狙い」         
       
●会場  札幌かに本家 栄中央店 TEL 052-263-1161 


◇◇11月例会のお知らせ◇◇

 テーマ   「対日戦勝70周年で対日、中韓露包囲網目指す習近平の狙い」  
         


プロフィール 講 師 河内孝氏 元毎日新聞社 常務 
 
   慶應大学マスメディア・コミュニケーション研究所講師



1944(昭和19)年東京都生まれ。

慶応大学法学部卒業

毎日新聞社会部、政治部、ワシントン支局、外信部長をへて編集局次長。

その後、社長室長、東京本社副代表、中部本社代表など経営の要職を歴任し、

常務取締役(営業・総合メディア担当)を2006年に退任、現在に至る。


著書に、「新聞社―破綻したビジネスモデル―(新潮社)」
「次に来るメディア」(ちくま新書)
「報道再生 グーグルとメディア崩壊 (角川oneテーマ21)
「自衛する老後」(新潮新書)などがある



■日時 平成26年11月7日(金) 講演 18:30
       18:00 受付   18:30 講演会   20:00 懇親会   
       ※くれぐれも時間厳守でお願い致します
    
■会場 札幌かに本家 栄中央店 TEL 052-263-1161 

会費 メンバー 無料
※メンバーの代理参加は1名まで無料(代理は社員さんとご家族のみ)
メンバーのご家族、又は社員(1名まで) 5,000円

◆◆ ビジター歓迎 ◆◆   皆様のお知り合いの方をご紹介下さい 
 会費 ビジター 8,000円  講演のみ 2000円


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. 11月例会 講演レポート 
2014/11/17

.━━━━━━━━━━━━━━━━━━2014/11/21━━━━

  11月例会 講演レポート 

  テーマ 対日戦勝70周年で対日、中韓露包囲網目指す習近平の狙い    

  講 師  元毎日新聞社 常務  
      慶應大学マスメディア・コミュニケーション研究所講師
      河内 孝氏

 NAGOYA KEIEI KENKYUKAI  BUSINESS & CULTURE    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
          開催日 平成26年11月7日(金)   
          会場  札幌かに本家 栄中央店


来年の8月15日は
第二次世界大戦が終わって70年になります。

今、世界で起きていることは、
過去の2つの戦争の結果というものを見ていくと、
だいたい説明がつきます。

1914年は、第一次世界大戦が始まった年です。
この戦争では英仏露が連合軍を、
一方でドイツはオットマントルコ帝国と組んだのです。


戦争を有利に進めるために英国は
アラブ部族とユダヤ人を相手に「三枚舌外交」を
やっています。

三枚舌外交とは、
サイクス・ピコ協定、バルフォア宣言、
フセイン・マクマホン協定のことです。


サイクス・ピコ協定とは
オットマントルコ帝国を破った後、
その版図をどのように英仏露が切り盛りするか
という密約です。

オットマントルコ帝国は、
今でいう、シリアからイラクを含めて
ペルシャの隣、アラビア半島まで持っていました。

トルコは、現在の小アジアに押し込める。
アラブは、シリア、ヨルダン、イラクという地域に分けて、
シリアは仏、ヨルダンとイラクは英国。

ロシアにも黒海出口の領土を分割しました。


戦争をやるためには
ユダヤ人からお金を借りないといけないため、

バルフォア宣言の中で、パレスチナについては、
イスラエル国をパレスチナの地に作ることを認める
という密約をユダヤにしてしたのです。

ところが一方で、アラブの部族には、
お前たちの国をパレスチナに作ってあげるよと約束した。


つまり同じ場所に、
イスラエルとアラブの建国を認めたわけですから、
ケンカになるのは当たり前。

これが中東問題の根っこです。


そして今、
イスラム国の人は何を言っているかというと、

勝手にイギリスとフランスが領土を振り分けた。
その秩序を俺たちはぶっ壊したいんだといっているわけです。


トルコがNATOに入っているにもかかわらず、
イスラム国の戦いに参加できない理由もここにあります。

英仏が山分けしたことの矛盾からでた戦争、
しかも結果としてトルコと対立してきたクルド人を助けるので、
イスラム国をやっつける方に参加したくないのです。


今、中東の国というのは、
湾岸から始まって、15くらいの国なのですが、

おそらく、このイスラム国みたいな動きが引き金になって、
54くらいの地域グループで、大紛争が始まるだろうと
いわれています。


世界の秩序変化は欧州でも始まっています。

ロシアとウクライナとの戦い。
これはどこから始まったかというと、1980年からです。

1980年にソ連が崩壊したとき、当時アメリカはブッシュ政権。

ゴルバチョフ政権とブッシュ政権で
6回くらい、非常に厳しい秘密交渉が行われました。

交渉の中で、ソ連軍は東ドイツから引き上げるよと。
でも引き上げたところには、NATOに入れないでくれと。

そういうゴルバチョフの要請があって、
それをアメリカはのんだのです。


ところが、東ドイツにはNATO軍を入れないという約束は
1ヶ月くらいで破っている。

次に、かつてのソ連の衛星国であった
チェコ、ポーランド、ハンガリー。

これは絶対にNATOに入れるなよと、
そこにNATO軍を入れて
ソ連と対峙するようなことは避けてくれと。

これもアメリカはわかったと約束しているのです。
英国、フランス、ドイツなどの首脳も約束しました。


ところが、3カ国どころか、
バルト三国も含めて、皆、NATOに入ってしまった。

2度までも約束違反があったわけです。


ウクライナは、かつてのソ連の重要な一部の国であって、
核兵器もおいてある。

そんなところがNATOに行ってしまうというのは、
ロシアにとっては大問題。

そういう背景があって、
先日、プーチンがああいう行動をとったわけです。

ロシアから見れば、
西側の一方的な秩序の破壊ということなのです。


1945年からの第2次世界大戦終結70周年には
どういう意味があるのか?

1937年に盧溝橋事件が北京で起きました。

北京郊外の盧溝橋で日本軍が夜間演習をしたら、
中華民国軍から銃撃にあったのです。

これが太平洋線につながる日中戦争の始まりです。


その記念的な場所である盧溝橋で
来年、70周年の大祝賀会を習近平さんの主催で
やることになっています。

ちょっと知っている人にとってはヘンな話なのです。

何故なら盧溝橋事件で戦ったのは
蒋介石の中華民国政府軍です。


また終戦の1945年8月15日ということでいえば、
まだ蒋介石は中国大陸を支配していたわけですから、
勝った権利者というのは台湾政府のはずなのです。

そこで、習近平さんが
今年、8月15日に、盧溝橋へ行った理由がわかります。

「我々、中華民族が野蛮な日本軍国主義を打ち破る
歴史的な事件だった。忘れてはいけない」

といって、盧溝橋事件で戦った
台湾にいる中華民国軍のOBを呼んできたのです。

我々は台湾も中国も一緒なんだということで、
来年70周年をやる正当性を得ようとしたわけです。


来年の8月15日、
盧溝橋で、プーチンと朴槿恵と習近平が会って、

厳しい抗日戦争を共に戦った同士として
高らかに勝利を宣言するわけです。


実は、習近平は、もう少し深い手を打っていたのですが、
それは、さすがに朴槿恵は乗りませんでした。

消息筋に聞いた話によると、
「北朝鮮なんて誰がみたって
あと5年6年も持つわけじゃないじゃない。
そうすれば朝鮮半島は韓国政府が統一することになるだろう。

しかも核までも手に入れることができる。
そうなれば日本なんて、目じゃないだろう」

と、朝鮮民族にとっては
非常に魅力的な提案をしたようです。

それはさすがに、アメリカに情報が流れて、
何を言っているんだということになった。


今でも在韓国連軍の指揮権は
アメリカの司令官が持っています。

戦時は、アメリカの司令官が
韓国軍を自由に使って戦いをすることになっている。

以前は平時も持っていたのですが、
さすがにそれは、ということで
5年前に平時の指揮権を韓国に返しました。

ただ、韓国としては、独立国として、
戦時指揮権を韓国の司令官に返してもらいたい。

そんな話をアメリカにしていて、
来年、戦時指揮権も返すことになっていたのですが、
棚上げになったのです。


中国の手先になって、
ロシアと三国同盟なんてやるんだったら、
何かあっても、アメリカは守らないぞと。

アメリカからすれば、
北と合併して、その核兵器を持って、
核保有国になるなんてとんでもない、ふざけるな
といったところです。

習近平とオバマですごいせめぎあいをしている
ということだけは、
日本人は知っておいた方がいいです。


今、世界で起きている混乱は

100年前の世界秩序、
70年前に日本が負けた時に彼らが作った世界秩序、
冷戦後の世界秩序が崩れかけている。
このことが、ほとんどの理由といえます。

■平成26年10月例会
2014/10/13

■平成26年10月例会 10月7日(火) 
               講演 18:30
>        

●講師  名古屋の日本大好き外国人  クリス・グレン氏
>        http://www.ppfppf.com/chris/index.php   
>        
●テーマ 外国人が見た日本の可能性
>        

●会場  SYONシオン (【旧店名】シン)隠れ家風ダイニングバー 
>        
名古屋市中区丸の内1-9-6 桜井ビル 1F 

TEL 052-204-1297
>        http://tabelog.com/aichi/A2301/A230102/23000234/
>
>●地図ーーー
http://tabelog.com/rst/rstdtl_print?lat=35.1747031393202&lng=136.89616183647&rcd=23000234&zoom=17

    http://tabelog.com/aichi/A2301/A230102/23000234/

●プロフィール


http://www.ppfppf.com/chris/index.php

1968年2月28日生まれ    出身: オーストラリア州・アデレード

言語: 英語・日本語    身長: 188cm

仕事: ラジオDJ、テレビタレント、レポーター、ナレーター、イベントMC
    講演講師、執筆、翻訳、通訳、インタビュア、コピーライター
    インバウンド観光コンサルティングなど…
ライセンス:ヘリコプター操縦免許(アメリカ、日本、オーストラリア) 剣道初段

メンバーシップ:日本甲冑武具研究保存会 
        NPO法人名古屋国際観光推進協議会 副理事
        名古屋城本丸御殿復元市民の会 
        愛知慈善ガイドネットワーク 顧問
        NPO法人 全国自家用ヘリコプター協議会

趣味:戦国の歴史研究、城めぐり、甲冑武具の収集、古武道、ヘリコプターの操縦

一度聞いたら忘れられない、低音が魅力のバイリンガルラジオDJ。

弱冠18歳で、プロラジオDJデビュー。オーストラリアと日本の両国で、
デビューから現在まで、常に第一線で活躍し続けるラジオのプロフェッショナル!
バイリンガルでのナレーション、司会もOKです。
  
日時 平成26年10月7日(火) 講演 18:30
       18:00 受付   18:30 講演会   20:00 懇親会   
       ※くれぐれも時間厳守でお願い致します
    
会場 SYONシオン (【旧店名】シン)隠れ家風ダイニングバー (講演会、親睦会)

名古屋市中区丸の内1-9-6 桜井ビル 1F TEL 052-204-1297

http://tabelog.com/aichi/A2301/A230102/23000234/

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